汎用マイクロプロセサは,やがてSoC化していく――Cell開発の担当者が将来像を語る
――単純にハイブリッドと聞くと,例えば米Intel Corp.や米Advanced Micro Devices,Inc.などがグラフィックス・プロセサ(GPU)をマイクロプロセサに混載するのとあまり変わらないように思うが。
Hofstee氏 基本的なアイデアとしてはそれで正しい。ただし,現在のGPUのように,入出力バスを介する形のアクセラレータでは,データをやり取りする際のオーバヘッドが大きい。
そこで重要になるのが,“Coherently Attached”という考え方だ。これはCellに導入したもので,SPE(synergestic processing element)やメイン・プロセサであるPPEが,コヒーレントな形で一部のデータを共有している。これにより,プロセサ間でデータをやり取りする際のオーバヘッドを低減している。こうした設計上の工夫を施したものがハイブリッド型だと言える。うーん、よく分からない。
――ハイブリッド型の先がSoCやASICと言われると,少々とまどう。むしろ半導体が巨大になりすぎて,SoCやASICのビジネスは危うくなっている。30年先だったら関係ないや。とか言っちゃダメかな?
Hofstee氏 確かに現実に目を向けるとその通りだが,論理的な結論としてこうなるという話だ。今はASICなどを作っても,2年も経過したら時代遅れになってしまう。技術が常に進歩してきたからだ。固定的な技術が不利で,汎用的なプロセサにとって有利だった。
だが必ずしもそのトレンドが続くとは限らない。私がSoC/ASIC型が登場するとしているのは30年以上先であり,その頃にはクロック周波数の向上やトランジスタ数の増加が見込めなくなっている可能性は十分にある。こうなると,汎用的なプロセサでは進化が止まってしまう。そこでより高い性能を求めるのであれば,回路技術を工夫して特定用途の処理に特化した方が有利になる,ということだ。
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