2008年9月12日金曜日

ARM vs. Intel

ARM、IntelによるAtom優位の主張に強く反論
そしてARMコア搭載の携帯電話機はいくつかのWebページを閲覧できないとのIntelの指摘に対しては、プロセッサ・アーキテクチャの違いによるものではなく、機器が搭載しているソフトウエアの違いによるものだと反論した。
確かにその通り。とは言え、あるソフトウェアが動くかどうかはプロセッサ・アーキテクチャにより決まる面もある。実際にPCはx86により天下統一されてしまった。

イノベーションのジレンマ的には、上から降りてきた人と下から上がってきた人が戦うと、下から上がってきた人が勝つことになっているようだが、果たして今回はどうだろう。

この状況で、Intelが勝つためには、戦いのルールをPCと同じものに変えてしまう必要がありそうだ。そのために、Mobile Internet Device (MID) という概念を立ち上げ、リファレンスモデルを公開することにより、Intelのチップを買ってくれば誰でもほぼ同じものが作れるという状況を作り出そうとしているように思われる。

そうは言っても、ケータイの世界のチャンピオンであるNokiaあたりがこれに乗ってくるとは到底思えず、きびしい戦いになるのではないだろうか。

だが、Intelとしては、ARMのライセンスを売り払った後にAtomを出してきたわけであり、絶対に負けられない戦いである。"Only the Paranoid Survive"は発動するのだろうか。

['08.10.06 追記]

Intelのえらい人が、まさにこのあたりのIntelの狙いを説明している。

「MIDのOSはLinuxが最適」──チャンドラシーカ氏、AtomとMIDを語る
Intelが提示した互換性に関するデータで訴えたいのは、ARMアークテクチャは分断されており、異なるARMベースのプラットフォーム間で互換性が完全ではないということです。ARMベースのプラットフォームでは、CPUのアーキテクチャは共通ですが、チップに集積されているI/Oなどその他の部分については、ラインセンシーごとに異なります。これは多くの用途に合わせて、カスタマイズされたチップを提供するというビジネスに最適化されたものであり、そのような分野におけるARMの成功は疑う余地のないものです。
しかし、コミュニケーションデバイス、あるいはコンピューティングデバイスとして、共通したプラットフォームを提供するという点では最適ではありません。1つの互換性を持ったプラットフォームであるという点が、Intelが提供するプラットフォームの強みです。このように、IntelとARMのビジネスモデルは、それぞれ異なっています。Intelが示したデータは、IntelとARMとのアーキテクチャを比較した優劣ではなく、ビジネスモデル同士の衝突であり、コンピューティングというリングではIntelに優位性があることを示しているのです。

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