2011年8月25日木曜日

Re: GEと日立、ウランのレーザー濃縮技術を商用化へ?

GEと日立、ウランのレーザー濃縮技術を商用化へ?

私の父は若い頃、レーザーを用いたウランの濃縮を研究していた。今回の商用化において使われていると思われる"SILEX"という技術は、

SILEX 第三世代のウラン濃縮技術 [PDF]

などを見ると、父の研究していた方法とは異なるものの、同じレーザー分子法の一種ということらしい。当時はレーザー原子法に敗北した形になったようであるが、ここにきての逆転劇である。

3.11以前であれば、もう少し誇らしかったのであろうか。

2011年8月19日金曜日

次期主力PC選定委員会 2

(前回のあらすじ)

「Cドライブの容量が足りない!」
「新しいPCを買わなくちゃ!」
「え、USキーボード選択できないじゃん!!」
「これは困った…」

...

さて、現行機をだましだまし使いつつ、次機種を選定していこうと思っていたのですが、いよいよ残り容量が300MBを切るなどという事態になってきました。「休止状態」を無効にするという最後の補助タンクは存在していたのですが、下手に粘ってまともに動かなくなってしまっては元も子もありません。量販店で買ってすぐに持って帰ってこれるものにしようと自分を納得させました。

そうなると、今度は現行機を今後どうしようかということになります。現行機は購入してから5年以上経ってはいるものの、ネット端末として使う分にはそれほど不便を感じていません。ハードディスクに音楽や写真を溜め込んだりはしていませんのでDドライブはガラガラです。要はパーティションさえ切り直せば、まだしばらくは十分使えそうなのです。ということで、パーティションの切り直しの手順を検索してみると、なんとフォーマットすることなくパーティションの切り直しが可能なツールがあるらしいということが判明しました。

「これは試してみる価値はありそうだ」と思い、PCの購入は一旦棚に上げ、パーティション切り直しの準備に入ります。場合によっては切り直しに失敗するケースもあるそうなので、最悪のケースに備え、いままで作るのをさぼっていたリカバリディスクの作成と、量は少ないとは言え消えては困るデータのバックアップ作業を行う必要があります。先ほどまでPCを買いに行くつもりだった量販店まで、DVD-RとUSBメモリを買いに走ります。

(つづく)

2011年8月18日木曜日

HOT CHIPS 23 と Hot Interconnect 19

HOT CHIPS 23 のプログラムが公開されていた。

HC 23 Program

Advance Programから大きな変更は無さそう。Facebook が Tutorial で Open Compute Project ついて講演を行うようだ。

そして、Hot Interconnects 19 のプログラム。

Hot Interconnects 19 Program

Keynote 1 では、

- The IBM Blue Gene/Q Interconnection Network and Message Unit

Session E: High-Performance Interconnect Architectures では、

- The Tofu Interconnect

なんてものが。

Panelの2枠は、いずれもデータセンター関連のもの。まあ、商売としてはそちらの方が "Hot" だろう。

それから、Keynote 2 では、Greg Papadopoulos が "The Network Is The Computer" ネタで講演するらしい。

参考エントリ:
HOT CHIPS 23 の Advance Program

2011年8月17日水曜日

Google の Motorola Mobility 買収

最初にこのニュースを知ったときは、Google の狙いが今ひとつ見えてこなかった。一昔前のMicrosoftがPCメーカ​ーを1つ買収するようなものだと考えれば、得より損のほうが大き​そうにも思えたからである。

しかし、Googleの公式ブログにMicrosoftとAppleの特許攻撃に対抗するためだと書かれていることを知り、ある程度納得がいった。Nortel 特許を落札できなかったことが相当効いているということなのだろう。

さらに以下のような報道もあったようだ。

グーグルによるモトローラ・モビリティ買収、MSの動きも一因か--米報道

要は、先に買収しないと Microsoft に買われてしまう可能性もあったということである。

Googleの真の狙いは垂直統合へのシフトにあり、「特許が欲しいのであれば、特許だけ買えるはずだ」と主張している人がいたが、Microsoftに買われるのを防ぐためには、会社ごと買ってしまう必要があったのである。

もちろん、結果としてハードウェア事業まで手に入れることになったので、何年か後に垂直統合路線に舵を切る可能性を否定はできないのだが、現状のシェアを考えると、SamsungやHTCを怒らせるようなことはできないはずである。

…なんてことをつらつら考えていたら、クリキヨさんのブログにわかりやすくまとめられていた。

Motorolaの買収に見るGoogleの苦悩

Androidの特許対策が後手後手で、高くつく買い物をするはめになったということで良いだろうか。


['11.08.18 追記]

GoogleはMicrosoftを携帯地獄に誘導する気か?

Google TV の普及の可能性ってのは面白いね。

2011年8月15日月曜日

HOT CHIPS 23 の Advance Program

今週、開催が予定されている HOT CHIPS 23 の Advance Proguram、

Advance Program HOT CHIPS 23 [PDF]

より、注目の講演を抜き出しておく。

Manycore
- Cavium OCTEON II CN6880 Multi-Core MIPS64 Processor
- The IBM Blue Gene/Q Compute chip with SIMD Floating-Point Unit
- The Highly-Efficient Architecture of the Godson-Core Processor

Security
- The TILE-Gx ManyCore Processor: Hardware Acceleration Interfaces and Mechanisms

Keynote1
- ARM Processor Evolution: Bringing High Performance to Mobile Devices

Server
- Building Data Center Servers Using "Cell Phone" Chips
- Poulson: An 8-Core, 32nm Next-Generation Intel Itanium Processor
- T4: A Highly-Threaded, Server-on-a-Chip with Native Support for Heterogenous Computing

Desktop CPUs
- Second-Generation Intel Core MicroArchitecture
- Power Management of the 2nd-Generation Intel Core MicroArchitecture
- AMD's Llano Fusion APU
- The Performance- and Power-Efficient Bulldozer x86-64 Server for Workstation and Desktop Processors

特に注目したいものは、太字にしておいた。

また、上記以外にも、Memory & FPGA のセッションは注目しておいた方が良さそうだ。

Blue Waters 開発中止

# Togetterもどき+α。

http://twitter.com/#!/ProfMatsuoka/status/101349154923618304
NCSAの関係者に今回のBlue Watersのキャンセルの経緯を色々聞いた。NECの次世代(富士通「京」のみになった)撤退とは様相が大分違う、色々信じがたいことが起こったようである。詳しい事はふじこになるので余り言えないのが残念だが、前向きに代替機が調達されそうなのは幸いだ。
「信じがたいこと」ってなんだろう?  しかも「色々」とは。
NECとは違うということは、やっぱりお金の問題じゃないってことかな。

http://twitter.com/#!/ProfMatsuoka/status/101683855290925056
うーむ、IBM Blue Watersの契約不履行に関して、更に色々聞いた。詳細はとても呟けないが、NCSA/NSFは比較的大丈夫で、むしろIBMのHPCにおける将来を心配してしまうような雰囲気である。残ったIBM BlueGene/Qも注意深く見つめている必要があるだろう。
BlueGene/Qも順風満帆というわけでは無さそう。

104. Blue Waters, 日本のポストペタプロジェクト
ということで、「マシンのための技術はできたけど IBM による財政的、技術的なサポートが当初の予想以上に必要になった」と書いてあります。これは一見、コストが高くなりすぎた、と書いてあるようにみえますが、どうせここまでの開発に莫大な費用を使ったに決まってるわけですから今になって撤退というのが単純に財政的な理由であるわけはありません。つまり、おそらく、動かせなかったのであろう、ということです。実際、単にfinancial というだけでなく techinical なサポートがこれからもまだ想定以上に必要、というのは、そう解釈するほうが自然です。
革新的な技術を使おうとした製品がポシャって、代わりに比較的コンサバでレベルが低いと見られていた製品が生き残るというのは、この世界ではありがちなこととは言え。
もっとも、6月の Top500 でも BG/Q はあまり大きなシステムになってないのが微妙に気になるところで、512チップということはおそらくまだラック半分のシステムであり、ラック間接続は安定動作できてない、というふうにみえなくもありません
ひょっとして、IBMとしてインターコネクトがうまくいっていない?

しかし、

Blue Watersがこけても問題なし - 次世代機の開発が進む米国のスパコン事情

Blue Waters がこけ、さらに BlueGene/Q がたとえ遅延したとしても、Cray XK6 が控えている。さすがにアメリカは層が厚かった。

2011年8月13日土曜日

Apple A6 ではシリコンインターポーザーが使用される?

AppleのA6がリスピンにより供給が遅れそうだというニュースの中で、A6の実装にシリコンインターポーザーが使用される可能性があるとの記述があった。

TSMC's A6 processor to respin, says report
One potential reason of the respin is that TSMC plans to use 3-D stacking technologies along with its 28-nm manufacturing process in the production of the A6 for Apple. The use of a specialized silicon interposer and bump-on-trace interconnect may produce specific requirements in the main processor die.
TSMCの3Dパッケージは Advanced Semiconductor Engineering との提携によるものだそうだ。
Packaging house Advanced Semiconductor Engineering Inc. partnered with TSMC to develop the 3-D chip packaging technology and so should benefit from the A6 processor business in 2012, the report said.

PC 30周年

昨日、8月12日は IBM PC が世に出てから30周年だったんだそうな。

30年経って、そのIBMはもはやPCを作っていない。

そして、「PCの父」は「PCは終わった」と宣言したそうだ。

IBM PC daddy: 'The PC era is over'
"They're going the way of the vacuum tube, typewriter, vinyl records, CRT and incandescent light bulbs," writes IBM's Middle East and Africa CTO Mark Dean in a company blog post.
確かに、スマートフォンやタブレットの普及で、個人端末が「PC」というフォーマットである必要性はなくなってきたが、おうちに一台くらいはあった方が便利なんじゃないかと思うのは、魂が重力に引かれてしまっているということなんだろうか。

2011年8月12日金曜日

次期主力PC選定委員会

しばらくブログの更新が滞っていたのは、お仕事がとても忙しかったということもありますが、PCのCドライブの容量不足でトラブっていたことが主な原因です。

一時ファイルをDドライブに追いやったり、不要なアプリケーションを削除したりなど、お決まりの対処をやってみたのですが、どれも根本的な解決には至らず、「これは新しいPCを買わなくては」ということになりました。もともと、新型VAIO Zが出たら少し考えてみようかと思っていたのですが、「このままではVAIO Zの発売までとても持たんぞ」という状況でした。

こうして予定よりも早く立ち上げることになった次期主力PC選定委員会ですが、思いもかけず難航することになります。

選定条件として漠然と考えていたのが、

 - 11~13インチクラスのモバイルPC
 - USキーボード
 - Sandy Bridge もいいけど、Zacateもいいよね

といったところでした。ところが、少し前であればSony、DellあたりのBTOを利用すれば、USキーボードを選択できたのですが、USキーボードなんて選択する人がよっぽど少なかったのか、現行機種では、より数が出るであろうもう少しサイズの大きいクラスでないと、USキーボードを選択することができなくなってしまっているようです。個人的には、むしろ小さいサイズのPCの方が、キーの数を少なくできるUSキーボードを採用する意味があるように思うのですが、世の多数派はそうは考えないようなので、まあ仕方がありません。

さて、困りました。VAIO ZであればUSキーボードを選択可能のようですが、上にも書いたように発売まで待っていられないような状況です。また、MacBook Airであれば上記の条件にも合うのですが、オーバーラップする期間がほとんど無い状況で、WindowsからMacへ移行するのはちょっと怖いというのが本音でした。

「これはJISキーボードで妥協せざるを得ないかな」、そんな諦めムードの中、救世主が登場したのです。

(つづく)