2011年12月28日水曜日

ドコモがスマートフォン用半導体の合弁会社を設立

ドコモ、国内企業やサムスンとチップセット関連の合弁会社
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20111227_501991.html

上記の記事以外にもいろいろ読んでみると、どうやら国産ベースバンドチップ「さくらチップ」の後継チップをサムスンに作ってもらうということのようです。

「さくらチップ」については、たとえば、この記事に記述があります。
 
ドコモ、Xi対応スマートフォン「ARROWS X LTE F-05D」の事前予約を10日より受付開始へ。
17日発売予定
http://www.gapsis.jp/2011/12/xiarrows-x-lte-f-05d1017.html
ARROWS X LTE F-05Dは、唯一国産のベースバンドチップ「さくらチップ」
を採用した製品だ。
で、「さくらチップ」とは何かというと、NTTドコモが中心となって開発した、LTE-PF (Long Term Evolution-Platform?)に対応したチップセットということのようです。

LTE-PFについては、たとえば、この記事。

ドコモ、NECなど4社、LTE対応通信プラットフォームを共同開発
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0910/02/news013.html

ネットでは「ベースバンドチップだ。CPUじゃねえよ、馬鹿」などと書き込んでいる人も多いようですが、将来的には当然SoCの一部品としてアプリケーションプロセッサ側に取り込まれてる可能性は高いでしょうし、Samsungと組んだというのは当然そういうことも意識してるのではないでしょうか。

もちろん、短期的には世界的に圧倒的なシェアを持つSamsungの端末に、このペースバンドチップが組み込まれることを狙っての提携だとは思いますが。


['12.04.02追記]

ドコモ、メーカー5社とのチップセット開発計画を断念
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20120402_523337.html

ちょっとびっくり。


['12.08.06追記]

結局、こういうことに。

富士通、ドコモ、NECがモデムチップ開発で合弁会社
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1208/01/news123.html

富士通が携帯電話端末用モデム事業を分社化し、そこにドコモとNECが出資する形となったようだ。対等合併的なものだと内部で主導権争いが発生しがちなので、母体となる組織がはっきりとしているのは好材料だと思われるが、はたしてQualcommの独走に待ったをかけることはできるだろうか。

2011年12月15日木曜日

マルチ CPU 時代のメモリアーキテクチャ

【IEDM 2011レポート】IBMの最終兵器「レーストラック・メモリ」が登場
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/20111215_498859.html

レーストラックメモリの発表に関する記事なのだが、興味深いのは発表の導入部で行われたメモリアーキテクチャに関する説明だ。
既存のコンピュータ・アーキテクチャはCPUがまず存在し、CPUがキャッシュ、DRAM(主記憶)、SSD(外部記憶)、HDD(外部記憶)といったさまざまなメモリをCPUがアクセスするようにできている。これはシングル(単一)のCPUが演算処理を引き受けている時代には適切なアーキテクチャだった。
しかし数多くのCPUが演算処理を分担するマルチCPUになると、このメモリアーキテクチャでは大量のデータを移動させる頻度が急速に増大し、メモリとCPUの間のデータ転送が完了するまでの遅延時間が無視できないほど長くなる。その結果、CPUを増やしても演算処理性能があまり上がらなくなってしまう。
ここまでで異論のある人は、そうはいないだろう。
そこでマルチCPUのコンピュータではストレージ・クラスの巨大なメモリを中心に配置し、数多くのCPUがこのストレージ・クラス・メモリにアクセスするアーキテクチャが望ましいと説明した。
なるほど、と納得しかけてしまうところだが、ストレージクラスの巨大なメモリともなると、CPUを中心に置こうが、メモリを中心に置こうが、CPUとメモリの組み合わせ全てにおいて、物理的な距離(要はレイテンシ)を等しくすることは不可能だと思われる。たとえレーストラックメモリを導入してメモリを高密度化したとしてもである。したがって、CPU中心のアーキテクチャにおいて、演算器のできるだけ近くにデータを配置するように制御することでデータ移動に必要な時間を節約していたのと同様、メモリ中心のアーキテクチャにおいても、データの存在するメモリからできるだけ近くの演算器を使って処理を行うような制御を行わなければならないはずである。

もともとロジックの固まりであるCPUであれば、そのような制御を行う機能を追加することは比較的容易なのかもしれないが、メモリの側にそういう制御を行う機能を追加することはかなり難しいように思われる。もちろん、IBMの研究者はそんなことは百も承知で、何らかの解決策を考えているのだろうが、いったいどのような方法なのか、ぜひとも聞いてみたいものである。

2011年12月3日土曜日

Hybrid Memory Cube には IBM の 3D スタッキング技術が使われる

Hybrid Memory Cube にはIBMの3Dスタッキング技術が使われるようだ。

IBM, Micron tag team on 3D memory breakthrough
http://www.theregister.co.uk/2011/12/01/ibm_micron_hybrid_cube_memory/
The Hybrid Memory Cube consortium formed by Samsung Electronics and Micron Technology this October is leveraging IBM Microelectronics' 3D wafer-baking expertise to get HMC memory to market in two years.
さらに、HMCで使用されるロジックチップはIBM製とのこと。
The HMC logic circuits underpinning the cubes will be made using IBM's 32-nanometer high-k metal gate process from its East Fishkill, New York fab.

もちろん、このことはCPUのような発熱量の多いチップの上にメモリを積層できることとイコールではないが、HMCが量産されることで、IBMは確実に3D実装技術の知見を得られるということになる。

2011年12月2日金曜日

Samsung のアプリケーションプロセッサ Exynos 5250

Samsung、タブレットPC向けにCortex-A15搭載のアプリケーション・プロセサを開発
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20111201/202096/

Exynos 5250
- 32nmプロセス (HKMG)
- Cortex-A15 x 2
- 最大2GHz
- メモリバンド幅: 12.8GB/s

タブレット向けとは言え、2GHz出ちゃうんだね。

Synopsys が Magma を買収

朝一にTwitterで見てびっくりしたニュース。

Synopsys to buy Magma for $507 million
http://www.eetimes.com/electronics-news/4231034/Synopsys-to-buy-Magma-for--507-million
"It's a great deal for Synopsys," said Gary Smith, chief analyst at Gary Smith EDA. Smith said the deal makes sense for Synopsys because while Synopsys' analog custom IC EDA effort has not really taken off, Magma's has.
上記のように、Gary Smith さんは、アナログ・カスタム IC CAD を入手するためと分析している。

確かに、Synopsys は Virtuoso を持っていない。持っていないけど…ねえ。

Synopsys の寡占化が進んでいく。