2009年12月24日木曜日

NVIDIA は Intel を怒らせた


【笠原一輝のユビキタス情報局】 急速にPine Trailへの移行を促す、IntelのAtom戦略
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/20091222_338837.html
Intelがこうした急激なPine Trailへの移行をメーカーに迫る背景には、NVIDIAのIONに対して脅威を感じているからだと考えることができるだろう。筆者が述べたグラフィックス周りの問題点をすべて解決するのがNVIDIAのIONだ。つまり、IntelとしてはOEMメーカーにもっともやめて欲しい選択がIONを採用することであるのは明白だろう。Pine Trailは外部GPUを接続するためのPCI Express x16などをCPU側には備えておらず、NM10側にPCI Express x1を4ポート備えているだけとなる。外部GPUを接続するとしてもこれでは十分ではないことは明らかだ。DMIにNVIDIAのチップセットをつなぐという選択肢も、IntelとNVIDIAがクロスライセンスを巡って法廷闘争を繰り広げているいま、あえて火中の栗を拾いにいくOEMメーカーがいるかと言えば、それはいないのが現状だろう。
IntelはNVIDIAのIONプラットフォームをかなり脅威に感じているらしい。この記事にもあるように、新しいAtomプロセッサのプラットフォームである Pine Trail では、明らかにIONつぶしを狙っているようだ。

2009年12月22日火曜日

GPU 向けコンパイラ


KFCR、ATI Stream/NVIDIA CUDA両対応のC言語コンパイラ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20091221_338330.html
株式会社K&F Computing Researchは、GPU向けのC言語コンパイラ「Goose」を発売した。
GPGPU用開発環境であるAMDのATI StreamおよびNVIDIAのCUDAに両対応するドメイン特化型のコンパイラ。
GPGPUで商売が成り立つくらい普及しつつあるってことでしょうか。

TSUBAME 2.0 は 3PFLOPS




【SIGGRAPH Asia 2009レポート】
東工大、スクウェアエニックスがCUDA実装事例を紹介
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/20091221_338290.html


SIGGRAPH Asia 2009におけるNVIDIAの講演において、東工大の青木先生がGPUスパコンであるTSUBAME 1.2について発表を行った。



その中で次期TSUBAMEについて簡単に触れ、目標性能が3PFLOPS(ピーク)であることを明かした。おそらくFermiを搭載するのであろう。青木先生は「来年の今ごろはきっと大騒ぎになってるはず」と自信を見せたようだが、果たしてFermiはちゃんと出てくるのかどうか。NVIDIAも正念場かも知れない。

2009年12月21日月曜日

Re: 神の子

開発は順調(?)のようです。

中国の国産プロセッサが65nmプロセスへの移行に成功、Synopsys社が明かす
Synopsys社によるとLoongson Technology社は、65nm製造プロセス技術に向けたマルチコアCPU「Loongson-3」の設計を一度で成功させた(ファースト・パス・シリコン・サクセス)という。
元ネタと思われるプレスリリースがこちら。

Loongson Achieves First-Pass Silicon Success on High-Performance CPU with Synopsys CustomSim Circuit Simulation Solution

参考エントリ:
神の子

京速計算機の検討初期段階における仕様


非公開だった資料が公開されていたようだ。

最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用
第2回評価検討会提出資料
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/super/haihu02/siryo3-2.pdf

これによると、いわゆる「京速計算機」の検討初期段階における仕様は以下のようなものである。

大規模処理計算機部 (NECベクトルを想定):
- 演算性能: 0.5PFLOPS
- 価格: 2850億円 (5700万円/TFLOPS)
- 電力: 5.6MW (11.2W/GFLOPS)
- インターコネクト: 0.2Byte/s/FLOPS
- メモリ転送性能: 4Byte/s/FLOPS (チップ-メモリ間に光伝送技術を採用)

逐次処理計算機部 (富士通スカラを想定)
- 演算性能: 1PFLOPS
- 価格: 1750億円 (1750万円/TFLOPS)
- 電力: 2.5MW (2.5W/GFLOPS)
- インターコネクト: 0.3Byte/s/FLOPS (ノード間)
- インターコネクト: 0.5~1Byte/s/FLOPS (ノード内)
- 大規模共有メモリ方式
- ノードあたり32CPUを想定
- システムインターコネクトはファットツリー

特定処理計算加速部 (GRAPE-DRを想定)
- 演算性能: 20PFLOPS
- 価格: 150億円(?)
- 電力: 7MW (0.35W/GFLOPS)

なお、GRAPE-DRの価格は別の資料、

専用機の性能を持つ汎用超並列計算機へ
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/super/haihu02/siryo3-sanko.pdf
サイズ・コスト・電力の実現性(10Pflops)
●価格
- GRAPE-DR 75億円(15億円/2Pflops)
から求めた。


で、元々の要求仕様はこれなのかな?

計算科学技術推進ワーキンググループ第2次中間報告概要
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/super/haihu01/siryo2-3.pdf

「最も高度な」って書いてあるから実現性度外視のものなんだろうけど。

大規模処理計算機:
 - 演算性能: 2PFLOPS(実効)
 - CPU-メモリ間: 8Byte/s/FLOPS
 - ノード間: 0.4Byte/s/FLOPS

逐次処理計算機
 - 演算性能: 4PFLOPS(実効)
 - CPU-メモリ間: 4Byte/s/FLOPS
 - ノード間: 0.04Byte/s/FLOPS

特定処理計算加速機
 - 演算性能: 20PFLOPS(ピーク)

CPU-メモリ間のデータ転送性能は、かなり無理のある数字のような。

99ドルネットブックに使われている XBurst という CPU


マイコミジャーナルの記事には、

米Cherrypal、価格99米ドルの7型ノートPC「Cherrypal Africa」発表
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/12/17/006/
米Cherrypalが今回発表した「Cherrypal Africa」は、7インチのディスプレイに400MHzのARMプロセッサを搭載し、LinuxまたはWindows CEが動作するモバイルノートだ。
なんて書いてありますが、ざっとググった感じでは、どうやらMIPS互換のチップの模様。

ただ、開発した Ingenic Semiconductor のページには、

XBurst CPU
http://www.ingenic.cn/eng/productServ/XBurst/pfCustomPage.aspx
XBurst RISC ISA is compatible of one standard RISC ISA
としか記述がなく、なんとなーくMIPSのライセンス取ってないんじゃないかという気も。

RHEL6 は Itanium をサポートしない


Red Hat pulls plug on Itanium with RHEL 6
http://www.theregister.co.uk/2009/12/18/redhat_rhel6_itanium_dead/
The dominant supplier of commercial Linux, Red Hat, is not going to be supporting its future Red Hat Enterprise Linux 6 on any Itanium platforms, old or new.
HPでもLinuxではほとんど売れてないそうなので、それほど驚きはない。

In addition, extended support for Red Hat Enterprise Linux 5 for Itanium is available up to March 2017 from selected OEMs.
"selected OEMs"については2017年までRHEL5をサポートするそうだ。ただ、「メインフレーム」として買ったところにとっては、2017年でも十分ではないのでは。


記事の後半は「POWERも時間の問題か」なんて話。POWERとメインフレームでLinuxを続けたければ、IBMはNovellを買う必要がある、と。まあ、IBMなら別にNovellを買わなくても、何とかなっちゃうような気もする。

ORNL の Fermi スパコンは中止?


ORNLのFermiスパコンが中止されたとの噂。Fermiの消費電力が想定以上だったのが原因とか。

Oak Ridge cans Nvidia based Fermi supercomputer
REMEMBER THE TRIUMPHANT WIN for Fermi at the Oak Ridge National Laboratory that Nvidia heavily touted at its GTC conference keynote? The supercomputer project was just killed for power reasons. Fermi power reasons. Whoops.

['09.12.24 追記]


そんでもって、Fermi の stream processor の数が減らされたというお話。

Nvidia's Fermi GPU gets cut back
Fermi has long been thought to be too hot to handle and Nvidia has now cut down the number of stream processors to 448 instead of the previous 512, and it has admitted that the GPU chip will be a 225 Watt part.

2009年12月17日木曜日

Blue Warters at SC09



安藤さんによるSC09レポート。


【SC09】各社の展示ブース風景 - 複数各社が次世代スパコンなどを出展
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/12/17/sc09_booth/index.html

Blue Watersに使用されると思われるサーバの展示。CPU MCMにはPOWER7を4つ積み、4GHz動作でソケットあたり1TFLOPS。ただし、消費電力も800Wと正真正銘の化け物である。

2Uのユニットをラックあたり12台収容し、総重量は約3tにもなるとのこと。この記事には記述がないが、ユニットあたりCPU MCMを8つ積むらしいので、ラックあたりの性能は

 256GFLOPS×4×8×12=98.3TFLOPS

ということで、ほぼ100TFLOPSということになる。

インターコネクト用MCMはCPU MCMより巨大で、POWER7並のサイズを持つスイッチチップ1つと大量の光電変換チップを積み、トータルで1.1TBpsとのこと。

金に糸目は付けないよ、といった感じである。

なお、本記事ではBlue Waters以外にも、Cray XT6、SGI Ultra Violet、そして、富士通の次世代スパコンなどが紹介されている。

そして、TPM。

IBM shows off Power7 HPC monster
http://www.theregister.co.uk/2009/11/27/ibm_power7_hpc_server/page2.html

ソケットあたり16個のDIMMスロットを持ち、8GBのDIMMを使用するようだ。

また、以下はSC09ではないが、Blue Waters の入る「箱物」のイラストのある記事。

IBM: Envisioning the world's fastest supercomputer
http://news.cnet.com/8301-13924_3-10410044-64.html

2009年12月11日金曜日

Intel が NVIDIA を買収するって?

Larrabee計画中止で盛り上がる「IntelがNVIDIA買収」説
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0912/11/news029.html

そりゃ買えるものなら買いたいかもしれないけど、アンチトラスト法に引っ掛からないわけないと思う。

それに、
IntelはGPUを開発できないのではなく、今現在のGPUアーキテクチャに長期的な持続性がないと考えている。同社は、今のアーキテクチャは拡張できないと思っている。MIMD(Multiple Instruction stream, Multiple Data stream)ができないのは確かだ。Intelにとってはデッドエンドだ。投資する理由があるだろうか? もう一度言わねばならないが、これは両社の基本的な哲学における決定的な違いだからだ。(略) Intelは単に、従来のSIMD(Single Instruction, Multiple Data)GPUアーキテクチャに将来性があると思っていないだけだ。正しいかどうかはともかく、同社は分析の結果その結論に至った。どんなに騒いでも、Intelはこの件については心変わりしないだろう」(ペディー氏)
この人の言ってることは正しいと思う。

ただ、「対立の歴史」という点ついては、マクニーリとバルマーが満面の笑みで握手しちゃうみたいなこともあるんで、当てにならないかと。

中国が本気を出したらもう勝てないんじゃないか


なんて思わせるような記事。

世界規模の技術はここで生まれている――Huawei本社に行ってきた (1/2)
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0912/03/news077.html
キャンパス内には「百草園」という社員寮もあり、プールやジムなどの設備も充実している。また社員向けのクラブ活動も行われているという。ちなみに百草園という名前は、寮内に100種類以上の植物があることに由来する。洗練された建物と辺り一面に広がる植物を見ると、とても会社の敷地とは思えず、いわゆる日本の“社宅”とは違った趣だ。部屋は満室で、空室待ちの状態だという。
でも、毎日が撤退戦ってのも、やわらか戦車みたいで素敵じゃない?

なんてね。

2009年12月9日水曜日

熱湯浴と呼ばないで


何と言うか、スーパーコンピュータを単なる「ITシステム」として捉えるのではなく、大規模な「実験装置」として考えた方が良いのではないか。

科学の根幹を支える実験装置を、自国内で開発できる技術を有していた方が良いと思うかどうか、ということ。

そこから先は政治の話なので、ここでは論じない。

2009年12月7日月曜日

HAL


「スーパーコンピュータの技術を活用」
――Plurality社がマルチコアプロセッサの展開を本格化
http://ednjapan.rbi-j.com/news/2009/12/5754

Hypercore Architecture Line で HAL だそうです。
Hypercoreのプロセッサコアには、米Sun Microsystems社の「SPARC IV」を拡張したRISC(縮小命令セットコンピュータ)型のコアを採用している。
なんて記述もありますが、Puralityのサイト (http://www.plurality.com/) には SPARC の S の字もなく、そもそも SPARC IV が何を指しているのかもちょっと謎。UltraSPARC IV のコアをこんなに小さく作れるとも思えませんし。

まあ、HALプロセッサの肝はどう見てもプロセッサコアではなく、MIMD処理を実現するスケジューラのハードウェアの方なので、SPARC かどうかなんてたいした問題じゃないのでしょうが。

あと、
キャッシュメモリーについては、各プロセッサコアには1次キャッシュは用意されておらず、プロセッサコア全体で共有する2次キャッシュのみとなっている。
それって「2次」キャッシュなんだろうか? とか。

Re: Larrabee「コプロ」説

インテル、「Larrabee」の開発遅延で計画変更--独立GPUを先送り

IntelがLarrabeeをGPUとして製品化するのを止めるらしい。1チップで1TFLOPS出すことに何とか成功したとは言え、GPUとして見ると半端な性能でしかないということで、市場性を見出せないということだろうか。

これで、「PCにおいて大規模コアのマルチコアチップと小規模コアのメニーコアチップが共存する状況」を作り出すというシナリオは破綻してしまったわけだが、さてこのコプロ説、「さえないジョーク」になってしまうのかどうか。

参考エントリ:
Larrabee「コプロ」説

2009年12月3日木曜日

アメリカのスパコン関連予算


6年だか7年だかで1200億円が「無駄」だの「ダム」だのdisられていますが、アメリカのスパコン関連予算は年間1000億円を超えてるそうで。

米国のスーパーコンピュータ開発状況について [PDF]
■米政府スーパーコンピュータ関連予算(公表部分)
 □2005年度約1,100億円から、2008年度約1,500億円に拡大。(1ドル=約115円で計算)
そりゃ、勝てないわけです。

さらに、「大艦巨砲主義」なんて批判されてるわけですが、アメリカは超巨大戦艦を造る気まんまんのようです。

ExaScale Computing Study: Technology Challenges in Achieving Exascale Systems [PDF]

ISSCC 2010 Advance Program


ISSCC 2010 Advance Program
5.7 A 48-Core IA-32 Message-Passing Processor with DVFS in 45nm CMOS
A 567mm2 processor on 45nm CMOS integrates 48 IA-32 cores and 4 DDR3 channels in a 6×4 2D-mesh network. Cores communicate through message passing using 384KB of on-die shared memory. Finegrain power management takes advantage of 8 voltage and 28 frequency islands to allow independent DVFS of cores and mesh. As performance scales, the processor dissipates between 25W and 125W.
これが、Intel の Single-chip Cloud Computer に関する発表のようだ。
5.5 A Wire-Speed PowerTM Processor: 2.3GHz 45nm SOI with 16 Cores and 64 Threads
A 64-thread simultaneous multi-threaded processor uses architecture and implementation techniques to achieve high throughput at low power. Included are static VDD scaling, multi-voltage design, clock gating, multiple VT devices, dynamic thermal control, eDRAM and low-voltage circuit design. Power is reduced by >50% in a 428mm2 chip. Worst-case power is 65W at 2.0GHz, 0.85V.
IBM 版 Niagara といったところか?
5.3 A 45nm 37.3GOPS/W Heterogeneous Multi-Core SoC
A 648MHz 153.8mm2 45nm CMOS SoC integrates eight general-purpose CPUs, four dynamically reconfigurable processors, two 1024-way matrix-processors, peripherals and interfaces. Using core enhancement, DDR3-I/F improvement and clock buffer deactivation, this SoC achieves 37.3GOPS/W at 1.15V.
ルネサスのヘテロジニアスマルチコアチップ。

 - 汎用プロセサ×8
 - リコンフィギュアラブルプロセサ×4
 - 1024wayマトリックスプロセサ×2

と、かなり複雑なものになっている。

Single-chip Cloud Computer


Intelがメニーコアの研究用チップのデモを行ったそうだ。

# 最初はLarrabeeの実チップだと思い込んでいたが、全く違うもののようだ。

Intel、48コア搭載のプロセッサをデモ

クラウドコンピューティングなどでは、あえて性能の低いチップを使うことで価格当たりの性能や電力あたりの性能にフォーカスしたデータセンターを構築しているそうだが、その考え方を推し進めたものと言える。

以前、80コアのチップをデモしたときは、浮動小数点演算器を積んだ小規模なコアだったが、今回のものはれっきとしたIA-32コアだそうなので、汎用的な利用にも向いているのだろう。

しかし、
このプロセッサのプログラミングには、クラウドデータセンターソフトで使われている並行プログラミングアプローチを応用可能。Intelは既にHPやYahoo!と協力して、Hadoopを使ってクラウドアプリケーションをこのプロセッサに移植する作業を始めている。
当たり前のこととは言え、使う人がいるから作れるのよね。

以下が発表資料のアドレス。

Single-chip Cloud Computer [PDF]

そして、以下が関連記事。

Intel puts cloud on single megachip
"This is not a product. It never will be a product."
当然だが、このまま製品化されることはないようだ。
The SCC's 48 IA-32 cores were described by Rattner as "Pentium-class cores that are simple, in-order designs and not sophisticated out-of-order processors you see in the production-processor families - more on the order of an Atom-like core design as opposed to a Nehalem-class design."
コアは "Pentium" 相当とのこと。Larrabee も Pentium(P54C) 相当なので、同等のコアということになる。

次世代スパコンの試作機が稼動


富士通、次世代スパコンの試作機を稼働
富士通は2日、官民共同で推進中の次世代スーパーコンピューター開発計画において、原型となる試作機を稼働させた。
富士通はスパコン専用のCPU(中央演算処理装置)を試作済み。今回は沼津工場(静岡県沼津市)で、基板の数が実機の千分の1ほどの規模のシステムを組み上げた。
4個のCPUを載せた基板を数十枚接続し、想定通りの性能が出ていることを確かめた。実機では、基板約2万枚、CPUチップにして約8万個を接続する計画だ。
関係者のみなさん、ひとまずは、おめでとうございます。

以下は関連記事。

Fujitsu gung-ho on eight-core 'Venus' Sparc

ボードあたり4ソケット。ソケットあたりのメモリは64GB(DDR3×8ch)だそうだ。

2009年12月2日水曜日

IBM が PowerXCell 8i の後継チップの開発を中止?


最初はCellの開発を中止という話だったのが、IBMが否定のコメントを出して、でもその説明では何となくすっきりしないという流れ。

噂の元になった発言をした David Turek 氏は deep computing 担当の vice president ということなので、どうやら PowerXCell 8i の後継として開発されていた PowerXCell 32iv がキャンセルされたということのようだ。すなわち、Roadrunner の後継機種が中止されたか、PowerXCell とは違うチップを使うように変更された、と。

ただし、噂の元になった記事では中止になったチップが PowerXCell 32i となっているため、PowerXCell 32ii (PPE×2個版)が中止されただけで、PowerXCell 32iv (PPE×4個版)の開発は中止されていないなどと主張する人もいるようだ。とはいえ、すでに昨年の時点で PowerXCell 32ii から PowerXCell 32iv への変更は決定されていたので、今さらIBMのエラい人がそんなことを公の場で発言するというのは考えにくいと思う。

IBM、「CELLプロセッサ開発中止」のうわさにコメント
IBMは11月24日の声明文で、CELLプロセッサは、「コンピューティングの将来はマルチコアとハイブリッド技術の統合にある」という同社の信念の基盤を成すものだと述べている。
「IBMはこのハイブリッドとマルチコアの戦略の一環として、来年登場するPower7を基盤とする新システムなど、CELL技術への投資を続ける」と声明文にはある。
IBMがCELLプロセッサの新版の開発を続けるかどうかは分からない。だが同社は声明文で、「ソニーのPS3向けにCELLの製造を続ける。ゲーム市場向けの次世代プロセッサ開発を楽しみにしている」と述べている。
奥歯に何かはさまってるような物言いだ。

以下は関連記事。

Cell is no longer HPC material

 この記事では、IBMはAMDと組んでOpenCLを使ったGPGPUをやろうとしてると推測している。

で、たぶんこの声明が元ネタになって、こんな噂が。

Sony chooses IBM POWER 7 CPU for PlayStation 4
We can officially reveal in this world exclusive that SCEI has officially chosen IBM's currently in development POWER7 architecture for it's PlayStation 4 system, currently scheduled for a 2012 worldwide release.
IBM shall POWER7 debut for the server market in the summer of 2010. The PlayStation 4 shall use a cost effective version of the architecture custom designed for Sony's specific needs.
8コアで200Wとも噂されるPOWER7をそのまま載せられるわけは無いと思うが、コア数を減らした低コスト・省電力版なら十分ありうる話だと思う。

そして、以下の記事には、より具体的な仕様も載っていたりする。

Rumor: Sony chooses IBM POWER 7 CPU for PlayStation 4
the implementation of the PS4 chip cores shall use 6.8, 24-32MB shared L3 cache, Quad core by threading, and a double precision performance approaching 200GFLOPS.
あやしげな文章だけど、6-8コア×4スレッドということだろうか?

まあ後は、PS3互換のためにSPEは載せるのかな? とか、例によってプロセスシュリンク版のCellをそのまま制御用チップで使ったりして、とか、そういう話になるわけだ。


['09.12.08 追記]

PS4に関する噂の元ネタ。オランダのサイトだけど問題の文書自体は英語だった。

Sony kiest voor IBM Power7 CPU (PlayStation 4)
the PS4 implementation of the chip shall use 6-8 cores, 24-32MB shared L3 Cache, Quad threading per core, and a double precision performance approaching 200GFLOPS.
6-8コア×4スレッドで正しいようだ。

ところで、
IBM shall debut POWER7 for the server market in the summer of 2010.
"summer"ですか。例によって、順調に遅れているようですね。

で、本当の元ネタは以下のサイトだったらしい。

FGNOnline

このサイト、各記事へのパーマリンクは無いのかな?

他にはこんな記事も、

11/16/09 WORLD EXCLUSIVE:
Sony has chosen the GPU for the next generation PlayStation.
We can officially reveal in this world exclusive that SCEI has officially chosen the Imagination Technologies currently in development PowerVR Series 6 architecture for it's next generation PlayStation console scheduled for 2012 worldwide deployment.
PS4のGPUはPowerVR 6だそうな。

Acer が日本企業の PC 部門を買収?


元記事の元記事からは、テレビ事業を持つメーカーと読めるので、ネットではソニー、東芝、シャープなんて名前が挙がっていましたが、果たして。

台湾のエイサー、パソコン部門買収で複数の日本企業と交渉?聯合晩報
30日付の台湾紙、聯合晩報は、台湾のパソコンメーカー、エイサー(宏碁)が複数の日本企業とすでに交渉し、そのうち1社のパソコン部門を買収する計画だと報じた。
元記事の元記事は以下(化けそうなんでアドレスのみ)。

http://udn.com/NEWS/STOCK/STO1/5280819.shtml

4年半で1400台


富士通のPRIMEQUESTの累計販売台数は1400台だそうだ。

富士通子会社がポルトガル大手通信事業者に「PRIMEQUEST」を25台以上納入
PRIMEQUESTは2005年の発売開始から現在まで、全世界で累計約1400台販売されている。
販売目標は3年間で1万台だったので、目標の1割は売れたということだろうか。

2009年11月18日水曜日

SGI の凄いの


SGI previews UltraViolet Nehalem EX blade clusters

1つのブレードに搭載するソケットを2つにする代わりに、余ったQPIリンクをNUMAインターコネクトのハブに接続し、ハブから4本のNUMAリンクを引き出すことで、256ソケットと16TBメモリをシングルシステムで実現している。

2009年11月17日火曜日

AMD の Bulldozer アーキテクチャ


AMDが次期アーキテクチャ「Bulldozer」と「Bobcat」の概要を明らかに

2つのコアでデコーダや浮動小数点演算ユニットを共有する形で、1つのクラスタ(Bulldozer Module)を構成するという、なかなか面白いCPUのようだ。あるいは、1つのクラスタをコアとみなせば、Intelがハイパースレッディングでやっていることを、整数演算ユニットを2倍に増やす形で実現していると言えるかも知れない。

通常の用途では、浮動小数点演算ユニットはアイドルであることが多いので、面積当たりの性能を最大にするために割り切った設計がなされたということだろうか。また、牧野先生がアクセラレータのコントロールチップとして使うのに具合が良いと言っているように、浮動小数点演算をやる人はGPU使ってね、という話もあるのだろう。

今回はLlanoのダイ写真までだったが、Bulldozerコアのフロアプランがどうなっているのか、非常に興味深い。


['09.11.20 追記]

続編。

AMDの次世代CPU「Bulldozer」のクラスタベースマルチスレッディング

1コアSMTと単純な2コアとの中間的な方法であることの解説。
実際、Analyst Dayでも、サーバーを担当するPatrick Patla氏(Vice President and General Manager, AMD Server Business)が次のように語っている。
「何人かは『これがHyper-Threadingに対するAMDの答えなのか』と尋ねてきたが、それはほとんど侮辱に近い。なぜなら、我々が望んだものを実現した結果、こうなったのであり、決して他の誰かの実装を追ったためではないからだ。これ(Bulldozerアーキテクチャ)はマルチスレッディングでありマルチタスキングであり、マルチコアでもある。我々が追求したのは、Bulldozerモジュールからパフォーマンスを引き出すベストな道だ」。 
AMDは、この構成にかなり自信を持っているようだ。

Intel と NEC がスーパーコンピューター技術の共同開発で合意


NECがXeonを使ったスーパーコンピュータを開発するようだ。

インテルとNEC、将来に向けたスーパーコンピューター技術の共同開発に合意
両社は、協力の第一段階として、インテル(R) Xeon(R) プロセッサーを搭載したスーパーコンピューターのメモリー帯域幅と拡張性を向上させるハードウェアおよびソフトウェアの技術開発を共同で行います。
現時点で、まっさらな状態からスパコンを作ることを考えた場合、Xeonを高速インターコネクトで結んで、演算リッチな用途はGPUなりLarrabeeなりを使ったアクセラレータで補完する、というのが現実的な解だと思うので、NECのこの動きはなかなか良い所を突いていると思う。

しかし、事業仕分けの直後に発表するとは。もしや、財務官僚の裏にはNECの工作員が!

なんてことはなくて、SC09に合わせただけですね。

また、これに呼応する形で、IntelがHPC用の6コア(8コアの2コア殺し?)版Nehalem EXを発表した。

インテル、スーパーコンピュータ向けプロセッサの開発を発表--NECとの提携も

1ノード最大256CPUが可能なのだそうだ。

この6コア版Nehelem EXに関しては、TPMも8コアのうち2コアを殺したものだと推測している。

Intel tunes Nehalem for HPC
It is reasonable to speculate that Intel may simply sort through the Xeon bins and find Nehalem EX parts that have six out of eight cores working and that can run at a higher clock speed; it would be most unusual for Intel to actually create a six-core layout of the Nehalem EX design.

['09.12.03 追記]


NECがスパコンでIntelを選んだ理由
富士通が主導する京速計算機は、同社が開発するSPARCプロセッサをベースにしたものになるという。おそらくNECが参加していた時点においても、スカラ部はSPARCだったのではないかと思われる。しかし、上記のTOP500リストに占めるSPARCはわずかに2台。スーパーコンピュータの主流ではない。主流か非主流であるかは性能には直結しないが、NECが自社のベクトル型プロセッサを拡販したいと考えた時に、魅力的なパートナーでないのは間違いない。x86/x64ベースのクラスタに付加するアクセラレータ的なポジショニングの方が、ビジネスはずっとやりやすいだろう。京速計算機を捨てて、Intelとの提携を行なったのは、SPARCよりx86/x64というビジネス上の判断だったのではないか、と見ている。
SPARCがイヤでXeonってのはある意味正しいと思うけど、「自社のベクトル型プロセッサを拡販したい」というのは違っていて、ただ単に自前のスカラ型スパコンを作りたかっただけだと思う。

そこまでして Excel 使いたいですか?


MS、スーパーコンピュータ向け「Excel」を開発中--クラスタで計算可能に
通常ならば計算に数週間を要していたようなスプレッドシートでも、わずか数時間で稼動するようになる
絶対、Excelの使い方間違ってると思う。

NVIDIA が Fermi アーキテクチャの製品を発表


ネットでは「どうせ遅れるんだろ」とか「再来年(!)になるんじゃないか」とか言われてましたが、最初の製品が発表されたようです。

NVIDIA、Fermiアーキテクチャ採用のHPC向けGPU「Tesla 20」

PC向けでなくHPC向けなので、いわゆる「限定出荷」という奴でしょうか。

あるいは、発表だけで発売日未定とか。

# プレスリリース読んでません。


['09.11.20 追記]


NVIDIA,Fermiベースの新世代「Tesla」を正式発表。2010年第2四半期に市場投入へ

発売は下位モデルが'10年Q2、上位モデルが'10年Q3とのこと。

2009年11月16日月曜日

Intel と AMD が和解


# すでに先週のネタですが…

IntelとAMDが包括的和解――IntelがAMDに12億5000万ドル支払い

IntelとAMDが両者間で生じていた全ての係争において和解することで合意したそうだ。

この合意ではIntelがAMDに12億5000万ドルを支払うということで、Intelがこれ以上独禁法違反に問われないことを狙ったもののようだ。新たな5年間のクロスライセンス契約も締結されたため、これで「AMDはあと5年は戦える」ということになるだろうか。

2009年11月12日木曜日

Coverity 5


Coverity社,不具合の影響を一目で確認できるソース・コード解析ツール新版を発表

Coverityから新製品「Coverity 5」が発表された。

新しいUI、「Coverity Integrity Manager」により、

  1. 静的解析によって検出した不具合を重大度によって分類・ランク付け、修正方法などを提示する。 
  2. ある不具合がプロジェクト内外におよぼす影響を一目で確認できる。

という新機能が実現されているそうだ。

不具合の影響が可視化できるというのは、なかなか興味深い。

以下は関連記事。

コベリティ、ソースコード不具合解析ソリューションの最新版

細かく説明してあるのだが、これを読んだだけでは良く分からない。

HP が 3Com を買収


Ciscoの競合というにはかなり落ちぶれてしまっているが(だからこそ買収のターゲットになったとも言えるが)、3ComがHPに買収されたそうだ。

HP、Ciscoの競合3COMを27億ドルで買収
米Hewlett-Packard(HP)は11月11日、ネットワーク機器メーカーの米3COMを買収することで合意に達したと発表した。
とりあえず、自分のところだけでデータセンター一式を提供できないと、勝負にならなくなってきているということだろうか。

最近の日本の各社は垂直統合を止めようという流れだったのだが、完全に逆風になってしまった感がある。

以下は関連記事。プレスリリースへのリンクあり。

HP,3Comを約27億ドルで買収へ,統合データ・センター戦略を推進

2009年11月11日水曜日

充電する際には,一体化した状態で


Fケータイが苦節何年なのかは知らないが、明らかにフラッグシップ扱いなのは関係者の方もさぞや感慨深いのではないだろうか。

NTTドコモの「セパレート・ケータイ」は,“タッチパネル・ケータイ+Bluetooth周辺機器”
ディスプレイ部とキーボード部のどちらかが見当たらない場合,見当たらないユニットを音と光で知らせてくれる「ケータイサーチ」機能を備える。
さすがに素人が思いつくような欠点はフォローしてある。
充電する際には,一体化した状態でディスプレイ部が備える端子から給電する。
キーボード部を充電しておき、ディスプレイ部だけ持ち歩くということはできないようだ。

むしろ、増槽のノリでキーボード側の電池を使い切ったら捨てるとか。(捨てちゃダメ><
「ほう、思いきりのいいパイロットだな」って褒めてもらえるかも。(エコじゃありません><

# 増槽ネタはむしろガンダムSEEDだったか。でも、SEEDってあんまり見てないのだ。

2009年11月9日月曜日

リアル重ちー


ハーヴェストだ。

カブトムシの無線制御,今後の研究の方向性

カブトムシ何匹いたら運んでもらえるだろう?
昆虫に電気信号を与えて無線制御する。
自分で制御しなきゃいけないとなると、自動販売機の下に落ちてる小銭は拾ってきてくれないか。
同大学でこの研究を進めている佐藤裕崇氏のグループは,今後,昆虫の体内を巡る電気信号や蓄えているエネルギー源などに着目する。 
研究者は日本人なんだね。

3Leaf のお手軽(?) SMP システム


最近の話題 2009年11月7日
2009年11月3日のThe Registerが3Leaf社のDynamic Data Center Serverについて報じています。SuperMicro製のマザーボードは3個のOpteron用のソケットを持ち,2個のソケットには,4コアShanghai,あるいは6コアIstanbul,そして将来は12コアのMagny-Coursを搭載し,残るソケットに3Leaf社の開発したASICを入れます。そして,このASICを経由して16枚のマザーボードを結合した共通メモリシステムを構成できるというものです。多分,このASICがディレクトリベースのコヒーレンシ制御を行っているのでしょう。そして,同社のHypervisorが載っており,その上でLinuxやWindows Serverがそのままで動くそうです。
また,現在の製品はHyperTransportを用いるものですが,QPI製品も開発中とのことです。
一般的なIAサーバと、このASICを組み合わせれば、大金を掛けてSMPサーバを開発する必要はなくなるというわけか。

以下は、The Registerの元記事 by TPM。

3Leaf makes big SMPs out of x64 clusters

Sun Microsystems 最後から二番目の決算


本当に最後から二番目なのかどうかは知らない。

Sun決算、1億2000万ドルの赤字――Oracleによる買収の不確かさが影響

2009年11月4日水曜日

NVIDIA が x86 チップを開発中、再び


また噂になっているらしい。

Is Nvidia devising x86 processor?
The rumors have once again surfaced that Nvidia Corp. may enter the x86-based microprocessor market.
Transmetaの元従業員を雇用しているとか。それだけでは根拠としてちょっと弱いと思うけど。


['09.11.07 追記]

安藤さん。

最近の話題 2009年11月7日
しかし,個人的見解ですが,NVIDIAのx86 CPU+GPUがIntelのソリューションに対して,ハイエンドグラフィックスを必要とする一部のニッチマーケットを別とすれば,勝ち目があるとは思えません。IONのようにARMプロセサとGPUを組み合わせて,モバイル機器向けのマーケットでメジャーになるという戦略に集中するほうが良いのではないかと思います。
同意。


関連記事:
Re: NVIDIA が x86 チップを開発中

2009年11月2日月曜日

Juniper と Dell が提携


ジュニパー、米Dellと提携しルータやスイッチをOEM提供
米ジュニパーネットワークスは10月29日(現地時間)、米Dellとパートナーシップを締結し、同社にジュニパー製品のOEM提供を開始したと発表した。
この他、IBMとの提携も拡大するそうだ。

また、以下の記事によると、今後はJunosブランドで売り込んでいくようだ。

ジュニパーが「Junos」ブランドを拡大、プラットフォーム提供
JUNOSはジュニパーが創業以来開発を続けてきた同社のネットワークOSの名前だが、今回の発表によって、このJUNOSブランドを拡大し、ネットワークOS以外にもこのブランド名を付けていく方針を示した。具体的には、新しいアプリケーションプラットフォームである「Junos Space」と統合ネットワーククライアント「Junos Pulse」をリリースする。
Brocadeの動きとは対照的に見えて、実は狙ってるところはそれほど違わないかも、といったところか。

2009年10月29日木曜日

日蝕


混乱突きIBMとHPがサン顧客獲得 DB支配でオラクルの買収に暗雲も

IBMがSunを買収すると言われていた時期には、(Sunの技術ではなく) Sunのシェアを買うつもりなのでは? などと言われていたので、自分が買うことになろうとOracleが買うことになろうと、やることは一緒だったのかも知れない。

いよいよ PRAM が来る?


インテル、次世代メモリの実用化で前進
Intelと、同社とSTMicroelectronicsのフラッシュメモリを専門とする合弁企業であるNumonyxは米国時間10月28日、新しい種類の相変化メモリチップを構築したと発表した。小型化と大容量化という同技術の利点を実現することができると両社は期待している。
大学の先輩が「世界を変えるメモリ」だって言ってたよ。<位相変化メモリ

ほんとかどうかは知らないよ。

ハイブリッドなマルチコア、そして、SoC のようなアーキテクチャ


汎用マイクロプロセサは,やがてSoC化していく――Cell開発の担当者が将来像を語る
――単純にハイブリッドと聞くと,例えば米Intel Corp.や米Advanced Micro Devices,Inc.などがグラフィックス・プロセサ(GPU)をマイクロプロセサに混載するのとあまり変わらないように思うが。 
Hofstee氏 基本的なアイデアとしてはそれで正しい。ただし,現在のGPUのように,入出力バスを介する形のアクセラレータでは,データをやり取りする際のオーバヘッドが大きい。 
そこで重要になるのが,“Coherently Attached”という考え方だ。これはCellに導入したもので,SPE(synergestic processing element)やメイン・プロセサであるPPEが,コヒーレントな形で一部のデータを共有している。これにより,プロセサ間でデータをやり取りする際のオーバヘッドを低減している。こうした設計上の工夫を施したものがハイブリッド型だと言える。
うーん、よく分からない。
――ハイブリッド型の先がSoCやASICと言われると,少々とまどう。むしろ半導体が巨大になりすぎて,SoCやASICのビジネスは危うくなっている。

Hofstee氏 確かに現実に目を向けるとその通りだが,論理的な結論としてこうなるという話だ。今はASICなどを作っても,2年も経過したら時代遅れになってしまう。技術が常に進歩してきたからだ。固定的な技術が不利で,汎用的なプロセサにとって有利だった。

だが必ずしもそのトレンドが続くとは限らない。私がSoC/ASIC型が登場するとしているのは30年以上先であり,その頃にはクロック周波数の向上やトランジスタ数の増加が見込めなくなっている可能性は十分にある。こうなると,汎用的なプロセサでは進化が止まってしまう。そこでより高い性能を求めるのであれば,回路技術を工夫して特定用途の処理に特化した方が有利になる,ということだ。
30年先だったら関係ないや。とか言っちゃダメかな?

100コアプロセッサ


ついに100コア品も登場,メニーコア・プロセサのTilera社が第3世代品を発表

TILE-Gx
- TSMC 40nm
- コア数: 16, 36, 64, 100
- 1~1.5GHz
- 10~55W
- 32KB L1I$
- 32KB L1D$
- 256KB L2$

36コアって半端だなあ、と思ったら、6×6ってことなのね。

それから、TSMCの40nmプロセスで普通に作ったら1.5GHzまでは出せます、と。

以下は関連記事。

100コアの汎用プロセッサ「TILE-Gx100」が登場 - 米Tilera

2009年10月27日火曜日

NEC が Android


NECが何かはじめたらしい。

NEC、「アンドロイド」に対応 新携帯開発、専門チーム発足
NECはグーグルの携帯端末向け無償OS(基本ソフト)「アンドロイド」の技術に詳しい社内技術者を集めた専門チームを発足した。2010年秋の発売を目指し開発中の新端末は、OSにアンドロイドを搭載する計画。
これだけなら、ふーん、だけど、

NEC、携帯端末で「クラウド」
NECは2010年秋をめどに、パソコン並みの性能を持つ新型の携帯端末を法人向けに発売する。インターネット経由でソフトウエアやデータを利用するクラウドコンピューティングなどと組み合わせることで、業務効率の大幅な向上が可能になるという。
この記事と併せて読むと、むむむ、となるということのようだ。

Nehalem EX は SPARC 終了のお知らせなのか?


Sun、Solarisの8コア「Nehalem EX」向け最適化を宣伝

米Sun Microsystemsは、米Intelが投入予定の「Nehalem EX」プロセッサを搭載したサーバ上で動作するSolaris OSのパフォーマンスを宣伝している。 
Sunは最近発行したホワイトペーパーの中で、この2年間にわたるIntelとの緊密な協業の結果、IntelのNehalemチップマイクロアーキテクチャが備えるTurbo Boost、Hyper-Threading、QuickPathなどの機能を「Solaris 10」で利用できるようになったと述べている。

64ソケット (コア数が倍だから32ソケットでもおk?) に対応するサーバは出るのだろうか?

2009年10月23日金曜日

MIPS がスマートフォン市場を狙ってる


「MIPS採用スマートフォンが1~2年で登場すると期待」,OHAに加入したMIPS社
OHAに加入したもう一つの狙いは,「スマートフォンでのMIPSアーキテクチャの採用を増やすことだ」(Swift氏)。このため,携帯電話機で一般的なCPUコアを提供する英ARM Ltd.への対抗意識も見せた。ARM社が2009年9月に発表した「Cortex-A9」の2コア版ハード・マクロである「Osprey」を引き合いに出し,同じTSMCの40Gプロセスを用いて製造したときに,MIPS社のCPUコアのほうが同等の消費電力で高い処理性能を持つと主張した。
ARMは省電力に特化していると言えばそうなので、絶対性能を比較すればMIPSの方が有利と言えばそうなのだが、はたして。

2009年10月22日木曜日

Intel CTO の4つの予想


Intelジャスティン・ラトナーCTO来日会見

- 閾値電圧近くで動作するトランジスタ
  低消費電力。性能が必要な場合は動作電圧を上げる。

- シリコンフォトニクス
  LightPeak。CPUとメモリ間の光接続も。

- ソフトウェアベースのレンダリング
  Larrabee。

- 仮想メモリ技術
  異なるタイプのコア間でのメモリ共有。

以下は関連記事。

Intel社CTOがラボの成果を紹介,「今後10年を予測する」

話は少し変わって、以下は、Intel Fellow。トランジスタ開発のエラい人。

Intel Fellowが語った,メニー・コア時代の新トランジスタ技術

将来のトランジスタ技術の候補として以下の3つを挙げている。

(1) 高移動度チャネル

 III-V族半導体、Ge等が候補。III-V族半導体チャネルの5つの課題: 非プレーナ構造との融合、p型チャネルの実現、大口径SiウエーハへのIII-V族半導体のエピタキシャル成長、自己整合(セルフアライン)型の製造プロセスが可能なデバイス構造、high-kゲート絶縁膜の導入。Geチャネルの3つの課題: high-kゲート絶縁膜の界面品質の向上、短チャネル効果の抑制、寄生抵抗の増大への対処。

(2) マルチゲート

 マルチゲートの4つの課題: ひずみSi技術との融合、寄生抵抗の増大への対処、立体構造に対応する製造技術、デバイス設計のパラメータが増えることに応える設計技術。これまでに報告されているFin-FETの駆動電流はプレーナ構造に比べはるかに劣るため、ひずみSi技術との融合は重要と考えられる。

(3) トンネル効果に基づくトランジスタ

 伝導帯と価電子帯のバンド間トンネル現象をゲート電圧で制御するもの。Sファクタ(ドレイン電流がゲート電圧に対してどれほど急峻に増えるかを示す値)を現行のMOS FETの理論限界である60mV/ケタより小さくできることから、サブスレッショルド・リーク電流を増やすことなくしきい電圧を下げられる。材料やデバイス構造など、あらゆるレベルで基礎からの検討が必要で量産化のハードルは高い。例えば、バンド間トンネリングの効率を上げて高い駆動電流が得られるような新材料の導入が必要。

2009年10月20日火曜日

RAS のコモデティ化?


1TBのメモリが利用可能-メインフレーム並みの信頼性を持つ「Nehalem-EX」

Nehalem-EXの登場により、各社が独自テクノロジーで実現していたRASは、スタンダード化が行われるかもしれない。 
スタンダード化されれば、リーズナブルな価格で高い信頼性、高可用性を持つIntel 64サーバーが、さまざまなサーバーベンダーから発売されることになるだろう。リーズナブルな価格で高い信頼性を持つIntel 64サーバーが発売されれば、多くの企業がメインフレームからIntel 64アーキテクチャーへのリプレースを行う可能性もある。
Nehalem-EXがほとんどの用途において十分な信頼性を持っているというのはは、たぶん正しいのだろう。ただ、「メインフレーム並みの信頼性」ってのは褒めすぎなんじゃなかろうか。

z11 は '10 年発売


IBMの次期メインフレームz11は、2010年中に出るようです。

IBM: Power7 to rollout throughout 2010

日本語の関連記事。

IBM、メインフレームと「POWER」プロセッサのアップグレード計画を明らかに

2009年10月16日金曜日

Acer から Android


Acer,Android端末「LIQUID」とAndroid/Windows搭載ネットブックを発表

AcerがAndroid端末「Liquid」を発表した。QUALCOMMのSnapdragonを搭載しているようだ。

他に、Androidが動くネットブックも。これぞ飛ぶ鳥を落とす勢いというやつか。

Androidが動くネットブックについては、以下の記事が詳しい。

Googleの携帯電話向けOS「Android」と「Windows 7」を再起動せずに切り替え可能なネットブックがついに登場

Androidの起動は数秒、Windows7への切り替えは再起動不要、Androidのシャットダウンはわずか3秒、とのこと。

ちなみに、プロセサはAtom N280(1.66GHz)。

NVIDIA の Tegra が次世代 DS に載る?


任天堂の次世代「ニンテンドーDS」はHD動画や高画質なゲームにも対応した「Tegraプロセッサ」を搭載か

ほんとだったらデカいけどね。

DSのサイズで1080Pとか意味あるのか?という話はあるけど。

沙羅双樹の花の色


盛者必衰の理をあらわす。

なんて大げさな話でもないけど、かつて飛ぶ鳥を落とす勢いだったDellがAcerにシェアで抜かれちゃったそうな。四半期での話だからDellの巻き返しもあるだろうけど。

PC世界シェア、AcerがDellを抜き第2位に~Gartner調査
上位5位のシェアは、HPが19.9%、Acerが15.4%、Dellが12.8%、Lenovoが8.5%、東芝が5%となった。
思ったより差が付いている。

2009年10月15日木曜日

SPARC Enterprise 性能強化

SPARC64 VII が以下のようにクロックアップされている。

  M9000/M8000: 2.52GHz→2.88GHz
  M5000/M4000: 2.4GHz→2.53GHz


ハイエンドの方が高速であり、伸び率も大きいというのは面白い。



富士通とサン、「SPARC Enterprise」の性能を強化

SOI で ARM



英ARM,45nmのSOIプロセスでARM11コアを試作し,バルクCMOSに比べて40%の低電力化を確認


IBMの45nmSOIプロセスでARM11コアを試作したところ、

- 同一周波数では、バルクプロセスより消費電力が最大40%低い。
- チップ面積が、バルクプロセスより7%小さい。
- 20%高い周波数でも、バルクプロセスより消費電力が30%低いアプリケーションがあった。

そうで。

2ちゃんねるには「安さが取り柄のARMがSOI使ってどうすんの?」なんて書き込みもあったが、iPhone向けみたいに付加価値の出せるチップなら採用もあるかも知れない。

#8. OS/2


ジョークの裏にも仮想敵がIBMだということが窺い知れる、というのは考えすぎか。

マクネリ×ラリーの講演で見るオラクル×サンの方向性
マクネリ氏はオラクルカラーである赤い服で登場、まずは「エンジニアがやってしまった変なことトップ10」というジョークからスタート。その中には「10位 寿司の形をしたUSBドライブを作ってしまったこと」や「9位 ガスマスクにもなるブラジャーが(イグ・)ノーベル賞を取ったこと」「8位 OS/2」などが次々に表示され、第1位として「Java Ringというアイデア」が出ると、会場は笑いに包まれた。
クリキヨさんのブログが一番わかりやすかったかな?

【OOW09便り】マクニーリとエリソン、合併の意義を改めて強調

冒頭のジョーク、現地ではすべってたらしい。

【OOW便り】OOWでエリソンが語らなかったこと

クラウドがNGワード。

2009年10月14日水曜日

NVIDIA が DMI 対応チップセットの開発を中止


NVIDIA、次世代Intel CPU向けチップセットの開発を中止

「裁判で決着が付くまでは」という前置き付きだが、NVIDIAがDMI対応チップセットの開発中止を決定したそうだ。従来のFSB対応チップセットの製造は続ける模様。

NVIDIA、チップセット事業は今後も継続
ただし、Intel FSBアーキテクチャに基づく製品や、AMD向けのMCP61ベースのチップセットについては今後も継続して販売していき、少なくとも向こう数年間は重要な収益源の1つであり続けるとしている。
チップセット事業はやめへんでー、とのこと。

2009年10月8日木曜日

Dell から Android


Dellがスマートフォン市場に参入するそうな。

「DellがAndroid携帯を立ち上げ」の報道

AndroidフォンならPCっぽい作り方もできるだろうから、特に驚きでもないのかな?

ところで、こうやっていろんなところがAndroidフォンを出してきた場合、選ぶときの決め手は何になるんだろう。デザイン? 付随するサービス? それだと、iPhoneには敵わないよな。

やっぱり、価格競争になるんだろうか? それはそれでちょっと悲しい。

で、この件とは直接関係ないのだが、Gartnerが何か言っているようだ。

2012年、AndroidがiPhoneを追い越す――Gartner予想

PC対Macの構図再び、ということだろうか?

…と思ったのだが、
同社の予測では、2012年のスマートフォンOS1位はSymbianでシェア39%。2位はAndroidで14.5%、以下iPhone(シェア13.7%)、Windows Mobile(12.8%)、BlackBerry(12.5%)、Linux(5.4%)、Palm webOS(2.1%)と続く。
そういうわけでもないようだ。


['09.11.17 追記]


発表された模様。

デル、Androidベースのスマートフォン「Mini 3」を発表

米司法省が IBM のメインフレーム市場独占について調査?


# 翻訳記事が出ないので、内容を良く理解しないまま。

アメリカの司法省が、IBMのメインフレーム市場独占について調査を開始するとのこと。

U.S. begins inquiry of IBM in mainframe market

ほとんど真面目に読んでいないが、独占禁止法に引っかかるとして(EUでのIntelみたいに)罰金を納めるという形になるのだろうか? 今さら、他社がメインフレームをアメリカで売るなんてことは無いだろうし。

# 独占禁止法についても良く分かってないかも知れない。


['09.10.09 追記]

翻訳記事が出ないようなので、英語だが簡単にまとまっている記事から引用。


IBM faces antitrust investigation
At the centre of the allegations is the fact that IBM refused to license its mainframe operating systems to users of "Hercules" for installation on machines other than IBM's expensive big iron.
Hercules is open source software that allows IBM's mainframe operating systems to run on x86 machines.

2009年10月2日金曜日

NVIDIA の Fermi


NVIDIAが次世代GPUアーキテクチャ「Fermi」を発表


倍精度演算を単精度×2で実現するとか、全てのメモリ階層にECCを付加するとか、汎用コンピューティング向けの拡張がちらほら。

トランジスタ数が 3 billion てことで、もの凄く大きなチップになりそう。それでも、GRAPE-DRよりは安くなりそうってんで、牧野先生が愚痴りたくなるのも仕方がないか。

以下の記事にはダイ写真も。


【GTCレポート】NVIDIAの次世代GPUアーキテクチャ「Fermi」搭載Teslaを公開


['09.10.03 追記]


安藤さん。

最近の話題 2009年10月3日

  • 浮動小数点演算がIEEE754-2008に精度を含めて完全準拠 
  • 各CUDA Coreで倍精度浮動小数点のFused Multiply Addが実行可能に 
  • 汎用CPUと同様の読み書きができるキャッシュを搭載 
  • 各Coreは64KBのメモリを持ち、そのうちの16KB、あるいは48KBを1次キャッシュとして、残りをシェアードメモリとして使用可能 
  • 全Core共通の768KBの2次キャッシュを搭載 
  • レジスタファイルから1次、2次キャッシュ、そしてメモリまでSECDEDのECCをサポート

ということで、
今回のFermiは科学技術計算用として,まともに設計したGPUとなっています。
とのこと。

で、早速 Oak Ridge National Laboratories (ORNL) が Fermi を使ったスパコンを作ると発表したそうで。

Oak Ridge National Laboratory Looks to NVIDIA “Fermi” Architecture For New Supercomputer

CPUとGPUの統合が、いよいよ現実味を帯びてきた昨今、NVIDIAも生き残りに必死といった感じか。


['09.10.07 追記]


笠原さん。

次世代GPUアーキテクチャ「Fermi」の内部構造に迫る

もう一つ、関連記事。

この64Kバイトのスクラッチ・パッドは非常にユニークな構成を採用している。具体的には64Kバイトの容量を2分割し,L1キャッシュおよびローカルなスクラッチ・パッド・メモリのそれぞれに割り当てることができる。構成は,(A)48KバイトのL1キャッシュ+16Kバイトのスクラッチ・パッド,(B)16KバイトのL1キャッシュ+48Kバイトのスクラッチ・パッド,の2種類から選択できる。
こうしたスクラッチ・パッドを分割する仕組みは,あの「ヘネパタ本」で有名なDavid Patterson氏(University of California Berkeley)らが「Virtual Local Store」として研究しているようで,NVIDIA社のFermiのサイトにもPatterson氏による同アーキテクチャの講評が掲載されている。
へぇ。




2009年9月28日月曜日

iPhone で EDA


冗談ではなくなってきた。

さすがにP&Rツールではないようだが。

EDA application runs on iPhone
The point of the project was to have fun and also get a feel for what it took to create an iPhone application, Sanie said.
"I wanted to see how the whole ecosystem works," he said.
とあるので、そこにiPhoneがあったので登ったと言うか、実験的な試みのようだ。

Moblin v2.1


【IDF 2009】Intel、携帯端末用OS「Moblin」の新版を公開

IDFでの発表をまとめた記事。

アンテナ付きのペンギンがちょっとかわいい。

2009年9月25日金曜日

Dell から Moblin


【IDF2009】Dell社,Moblin搭載ネットブックを発売へ

いきなりDellが出すというのは意外と言えば意外。ただ、Dellらしいと言えばDellらしい。

Acer、ASUS、Samsungあたりも追随するとか。

そして、

Dell and Microsoft back Moblin

Further highlighting the mobile OS's coming of age it was also revealed, from early next year, Moblin will get support from both Microsoft's Silverlight and Adobe's Air platforms as part of the Intel Atom Developer Program, which will see Intel create an app store framework for developers.

MicrosoftがMoblinでSilverlightをサポートする!

まだだ!


「たかがメインカメラをやられただけだ!」

「アムロ、新しい顔よ!」

「バ、バタ子さん……」

実物大ガンダムの頭部がゲームショウ会場に

2009年9月24日木曜日

XGP、10/1よりサービス開始


ウィルコム,次世代高速通信「XGP」を10月1日から400人限定で開始

「限定400人て」と思って記事を見たら、エリア狭っ!
山手線の南半分+池袋といった感じ。
ウィルコムではユーザーを限定しないサービスとして開始する予定だったが「(変調方式の)256QAMに対応させるためのチューニングなど技術的な問題と,借入金について金融機関のリファイナンスが難航した」(ウィルコム)。このため,サービスを縮小した形でスタートする。
という厳しい事情から来るものらしい。

厳しい船出となったXGP。この先、逆転の目はあるのだろうか。

Intel の 22nm プロセス SRAM


対するIntelは22nmプロセスを使用したSRAMの開発に成功したとのこと。

【IDF 2009レポート】ボブ・ベイカー氏基調講演~「ムーアの法則」を堅持して2年ごとの微細化を推進

IBM の 32nm プロセス eDRAM


IBMが32nm SOI プロセスを使用したeDRAMの開発に成功したようだ。

IBM makes claims for 32-nm eDRAM on SOI

これがPOWER7+、あるいは、POWER8あたりに載ることになるのだろうか。

2009年9月18日金曜日

(Netbook + Notebook) / 2 = ?


VIAが"NetNote"というカテゴリのプラットフォームを発表したそうで。もう何がなにやらw

# bookはどこに行ったの? などと突っ込んではいけない。

VIA Netnote range blurs lines again

VIA unveils its 1080p-playing SurfBoard NetNote, we'll still call it a netbook

Cortex-A9 MPCore


ARM,デュアルコア・プロセサ「Cortex-A9 MPCore」で2GHz超の高性能版など

Cortex-A9
- TSMC 40nm-G
- 2コア
- 2GHz超 (高速版ハードマクロ使用時)
- L2$ 最大8MB
- 消費電力: 1.9W (高速版)  250mW未満 (低消費電力版)

以下は関連記事。

ARM wrestles Intel for netbook crown

コメント欄が盛り上がっている(あまり内容はなさそうだけど)。

Dual-core ARM chips could show up in Apple tablets

Appleが採用するんじゃないかって噂。

2009年9月16日水曜日

Oracle が Sun との統合製品を発表

日本HPが自社x86サーバ向けにSolaris 10を販売などというニュースを見て、「HPと組んでSolaris x86が商売になるということになったら、OracleがSunのx86サーバ事業をHPに売却するということも十分ありうるのかな」などと考えていましたが、当面そんなことには無さそうです。

米オラクルが米サンとの統合に先行し、第一弾ハードを発表
具体的には、データベース・サーバーに米インテルのXeon(Nehalem)プロセッサを最大で8CPU、64コア、メモリーを最大で400Gバイト搭載する。
以下の記事では、もう少し詳しく。

速報:Oracle+Sun統合製品第一弾はOLTPとDWHの両対応マシン、
Xeon5500+Flashストレージ+InfiniBand
Exadata V2を構成する主なコンポーネントは、データベースサーバとしてインテルXeon 5500プロセッサを搭載したサン・マイクロシステムズのSun Fire X4170。ストレージサーバとして、FlashFireモジュールを搭載したSun Fire X4275、そしてInfiniBand Switchです。

['09.09.17 追記]

おやおや、どんどん逆の方向に。

Oracle、HPとのハード提携を終了
Oracleの広報担当者は、Oracleは顧客から要望があれば、HPとの提携下で構築したExadataコンピュータを在庫がなくなるまで販売すると語った。
HPの担当者にコメントを求めたが、連絡が付かなかった。
まあ、HPからSunへの切り替えが簡単にできるってことは、逆もまた可能ということではありますが…。

2009年9月15日火曜日

Intel の組織変更


Intelが3つの事業本部体制へ移行~パット・ゲルシンガー上級副社長は退任しEMCへ

以下のような感じ。

- Intelアーキテクチャグループ(IAG)
 - PCクライアントグループ
 - データセンターグループ
 - ビジュアルコンピューティンググループ
 - ウルトラモビリティグループ
 - エンベディッドコミュニケーショングループ
 - デジタルホームグループ

- テクノロジー・マニュファクチャリンググループ(TMG)

- セールスマーケティンググループ(SMG)

そして、さよならゲルたん…。


['09.09.16 追記]

以下のような変遷を辿っているようだ。

・デスクトップ プラットフォーム事業本部(Desktop Platform Group)
・モバイル プラットフォーム事業本部(Mobile Platform Group)
・エンタープライズ プラットフォーム事業本部(Enterprise Platform Group)
・インテルコミュニケーションズ事業本部(Intel Communications Group)
  ↓
・モビリティ事業本部(Mobility Group)
・デジタル エンタープライズ事業本部(Digital Enterprise Group)
・デジタルホーム事業本部(Digital Home Group)
・デジタルヘルス事業本部(Digital Health Group)
・チャネル製品事業本部(Channel Products Group)
  ↓
・PCクライアント事業部 PCG(PC Client Group)
・データセンター事業部 DCG(Data Center Group)
・ビジュアルコンピューティング事業部 VCG(Visual Computing Group)
・ウルトラモビリティ事業部 UMG(Ultra Mobility Group)
・エンベデッド・コミュニケーション事業部 ECG(Embedded and Communications Group)
・デジタルホーム事業部 DEG(Digital Home Group)

ゲルたん→パルムッターということで、プロセサ開発の中心がオレゴンからイスラエルに移ったとの見方も。Intelも政権交代ということだろうか。

オレゴンチームとイスラエルチームについては以下の記事が詳しい。

2つのCPU開発チームに競わせるIntelの社内戦略
Intelは、現在、PC&サーバー向けのIA CPUの開発チームを2つ持っている。1つは、オレゴン州ヒルズボロ(Hillsboro)の開発チームで、Digital Enterprise Groupに属しており、Pentium III(P6)やPentium 4(NetBurst)アーキテクチャを開発した。もう1つは、イスラエルのハイファ(Haifa)にいるチームで、Mobility Groupに属しており、Pentium M(Banias)やCore Microarchitecture(Core MA)を開発した。IntelのIA-32系CPUは、この2つのチームが交代に開発する体制となっている。今年登場するNehalemはオレゴンチーム、2010年に登場するSandy Bridgeはイスラエルチームが担当する。

['09.09.18 追記]

元麻布さん。

Intelのゲルシンガー氏辞任に思うこと

2009年9月14日月曜日

Sun の CPU ロードマップ


Sun's Sparc server roadmap revealed

Rainbow Falls
- 40nm
- 1.67GHz
- 16コア×8スレッド
- 1-4ソケット
- '10.M

Yosemite Falls
- 40nm
- 2.5GHz
- 8コア×8スレッド
- 1-4ソケット
- '11.E

Yellowstone Falls
- 28nm
- 3GHz
- 4コア×8スレッド
- 4-192ソケット
- '12.M

Cascade Falls
- 28nm
- 3GHz
- 16コア×8スレッド
- 1-8ソケット
- '12.E

...

Jupiter+
- 65nm
- 2.88GHz
- 4コア×2スレッド
- 1-64ソケット
- '09.M

Jupiter-E
- 65nm
- 3GHz
- 4コア×2スレッド
- 1-64ソケット
- '10.E-'11.B

APL2 (Uncommited)
- '12.M

...

- Sunは、コアあたり8スレッドが最適と判断しているようだ。
- RF→YFではコア数を減らして、高速化に振っている?
- YF→YSFも同様?
- YSF(4コア)とCF(16コア)というコア数の大きく異なるチップを同じ年に出荷可能としている
 ことから、CFはYSFを4チップMCMに載せたものである可能性も?

2009年9月11日金曜日

I play! to win!


ラリー・エリソンがかましてくれました。

Sun Customers
"We're in it to win it.
IBM, we're looking forward to competing
with you in the hardware buisiness."
- Larry Ellison
がんばってください :)

2009年9月10日木曜日

国策スパコンネタ


性能競争のイタチごっこから脱した 次世代スパコン開発の行方

Blue GeneがECC機能を持たない(ほんとか?)ことを批判しているのに、
あるスパコン技術者は「グラフィックスチップでアクセラレータを付加すれば20ペタFLOPS以上は十分射程内」と指摘する。
なんてことを書いちゃうのはどうなんだろう。

…なんてことを書いたのは、SC09で以下のようなポスターセッションがあると知ったから。

GPUs: TeraFLOPS or TeraFLAWED?
A lack of error checking and correcting (ECC) capability in the memory subsystems of graphics cards has been cited as hindering acceptance of GPUs as high-performance coprocessors,
やっぱり、本気でGPGPUやろうと思うと問題になるよねえ。

たとえば、スパコン専用のECC付きGPUを作れば解決かというと、GPUはコモディティだから安くできるのであって、専用設計にしたら「こんなにバカでかいチップ作ってスパコン専用CPU作るのと何が違うの?」って話になってしまう。

また、ECCでエラーが解決できなくて再計算するとなった場合、おそらくGPGPUでは、エラーが起きたデータブロックの計算結果は捨てて、そこはまるごと再計算するしかないのではないか。したがって、もしエラーが頻発するようだと、実アプリでの性能はでないということになる。あるいは、再計算の単位を小さくするために、たとえばALU間で同期とるためのアービターなどを付けたりしたら、やっぱり「スパコン専用CPU作るのと何が違うの」って話になってくるような気も。

もろもろ考えると、SIMD拡張した比較的シンプルな汎用コアをたくさん並べるIntelのLarrabee的なアプローチがまっとうなのかなあ、という気がしないでもないでも。


['09.09.11 追記]

> Blue GeneがECC機能を持たない(ほんとか?)

Roadrunnerについては全くのガセの模様。

HOT CHIPS 20 - 新しい内容も含まれていたIntel Larrabeeの論文
PowerXCell 8iはPS3のエンジンであるCELLプロセサをベースに、科学技術計算向けに倍精度浮動小数点演算性能を改善したチップであるが、Roadrunner のように大規模システム向けにエラー検出機構やECCなどが組み込まれていることが明らかにされた。
また、「FORTRANやC言語が使えない」という件についても、

Roadrunner: Hardware and Software Overview [PDF]
API    Application Programming Interface. An application
programming interface defines the syntax and semantics
for invoking services from within an executing application.
All APIs are targeted to be available to both FORTRAN
and C programs, although implementation issues (such
as whether the FORTRAN routines are simply wrappers
for calling C routines) are up to the supplier.
とのこと。

Blue Geneについては真面目に調べていないが、CPU内部のECC機能は無いのかもしれない。しかし、メモリ周りは当然ながらECC対応のようだ。「FORTRANやC言語が使えない」というのも、ちょっとありえないように思う。性能を出すには言語仕様の拡張が必要(本当にそうなのかは知らない)などといった情報を勘違いしたのではないだろうか。

2009年9月7日月曜日

Chartered 買収


ひょえー。オイルマネーーー。

GLOBALFOUNDRIESに出資の投資会社,Charteredを買収
アブダビの政府系投資企業であるAdvanced Technology Investment Company LLC(ATIC)は,半導体ファウンドリー大手のシンガポールChartered Semiconductor Manufacturing Ltd.を買収する。両社で基本契約を交わしたことを2009年9月7日,発表した。

['09.09.09 追記]

そういえば、こんな報道もあったそうで。

東芝、最先端LSI生産を海外に委託 「フラッシュ」に投資集中
近く受託製造の専業会社との交渉を始める。シンガポールの受託大手チャータード・セミコンダクターを軸に調整するほか、米グローバルファウンドリーズも候補とする。
こちらは、GLOBALFOUNDRIESとCharteredが合併して、2011年にはUMCを抜くとの予想。

GlobalFoundries to give UMC a run for its money


['09.09.11 追記]

この買収における勝者と敗者。

Opinion: Winners, losers in ATIC-Chartered deal

IBMが勝者であり敗者でもあるというのが、ちょっと面白い。


['09.09.16 追記]

関連記事。

GLOBALFOUNDRIESとCharteredの合併案--アナリストの見解は「大きな前進」


['10.01.18 追記]

米GLOBALFOUNDRIES,シンガポールCharteredとの統合を発表,
米国工場の新設で2014年に200mm換算580万枚/年へ
米GLOBALFOUNDRIES Inc.は,シンガポールChartered Semiconductor Manufacturing Ltd.(CSM)との業務統合を発表した。

2009年9月2日水曜日

POWER7 at HOT CHIPS 21

IBM's POWER7 and Sun's Rainbow Falls, Unveiled

POWER7
- 45nm SOI
- 567mm^2
- 1.2B Tr.
- 8コア
- 4 way SMT
- 32KB I$
- 32KB D$
- 256KB L2$
- 32MB L3$ (eDRAM)
- DDR3メモリコントローラ×2
- メモリバンド幅: 100GB/s
- SMP: 最大32ソケット
- SMPバンド幅: 360GB/s
EE Times の記事。

Sun, IBM push multicore boundaries

POWER6と同程度の消費電力ということから、POWER7の消費電力を100-190Wと予想している。
TPM。

Big chip for big boxes: IBM cracks open lid on Power7

数少ない日本語の記事。

IBMとSunが次期RISCプロセッサを紹介
現行のPOWER6プロセッサと比べ、POWER7はパフォーマンスで2~3倍、スループットで2~5倍という性能を実現しながらも、同じパワーエンベロープ(消費電力枠)に収まる。
eDRAMはSRAMほど高速ではないが、サイズは3分の1で消費電力は5分の1となっている。

['09.09.17 追記]

安藤さん。

Hot Chips 21 - 3次キャッシュを内蔵したIBMの8コアプロセサ「POWER7」

動作周波数についての推測。
これは完全に筆者の推測であるが、FP Workloadの場合は、マルチスレッドはあまり効かず演算器がネックとなることが多いが、演算器の数が倍増しているのにFP Workloadの性能が向上が1.7倍にとどまるというのは、クロックが0.85倍程度に下がっているのではないかと思っている。そうすると、POWER7のクロック周波数は3GHzから3.5GHzあたりでは無かろうか?
ただし、我が国の次世代スパコンの対抗馬の1つと見られるBluewatersのような本格スパコンの場合は、水冷などを使って高い消費電力を許容し、一部の報道で言われている4GHzクロックを実現する可能性はあると思われる。
eDRAM用のキャパシタをデカップリングキャパシタにも転用しているようだ。
このチップの1つの特徴はオンチップのeDRAMを搭載している点であるが、このDRAMはDeep Trenchキャパシタを使用するタイプのものであり、SOIのBox(Buried Oxide)層を取り除いてその下のシリコンバルクに深い溝を掘り、その溝の側面に情報記憶用のキャパシタを作る。溝の側壁を使うので、小さなチップ面積に大きな容量のキャパシタが作れる。Ron Kalla氏に、このキャパシタは他の目的にも使っているのかと質問すると、答えは「Yes」であった。つまり、このDeep Trenchキャパシタを電源のバイパスキャパシタとしても使っているという。Boxに穴を開けるためにある程度配置に制限が出るのではないかと聞いてみると、空き地もあるし、必要なら論理ブロックの位置を少しずらせばよいという答えであった。まあ、通常のゲートキャパシタを使ってデカップリング容量を作るのに比べると面積を取らないので、配置も楽で、チップ面積の縮小、および、電源ノイズの減少にも貢献していると思われる。

2009年8月31日月曜日

Nehalem EX at HOT CHIPS 21

例によって、あまりテクニカルな内容ではなかった模様。

Intel details Becton, 8 cores and all

新しいネタとしては、L3$(3MBx8)がリングバスで接続されていることが公開されたこと。Rainbow Fallsが複雑なクロスバーで頑張っているのとは対照的。チップ内インターコネクトに場所を取るより、単純化してキャッシュ容量を増やした方が性能が出るということだろうか。

この発表に関して、安藤さん。

最近の話題 2009年8 月29日
今回,明らかになったのは,8個の3MBのL3$スライス間とコヒーレンスユニットの間の接続にリングバスを用いていると言う点と,従来,QPIはディレクトリベースのコヒーレンス機構を使うと説明されていたと記憶しているのですが,今回,ソースブロードキャストを行うスヌーププロトコルでコヒーレンシを維持していると発表されたことです。
「L3$スライス間とコヒーレンスユニットの間の接続にリングバスを用いている」ということなので、上記の私のコメントは見当外れなことを言っているかも知れない(ここらへん、あまり理解してません)。 後半の方は、簡単に言うと「cc-NUMA をやめた」ということで良いのだろうか? (ここらへんも理解してません)

とりあえず、4コア→8コアでキャッシュ構造の変更が必要だとIntelは判断したらしい、ということで。

['09.09.09 追記]

安藤さん@マイコミ。

Hot Chips 21 - サーバ向けプロセサの「Magny-Cours」と「Nehalem EX」

L3$とメモリインターフェースの強化について、詳しく解説してある。

L3$のリングバスのバンド幅は250GB/s以上とのこと。また、メモリはScalable Memory Buffer(SMB)を介してDIMMに接続する方式としており、チップあたりではDDR3×8チャネル、16DIMMとなり、Nehalem EP(3チャネル6DIMM)から3倍近くメモリバンド幅と容量を向上させている、とのことである。

QPIのキャッシュコヒーレンシ方式の変更については、
Kanter氏によると、本格的なディレクトリ方式のコヒーレンス機構は大型のシステムでないと意味がないので、ディレクトリはQPIを共用するItanium向けだということであった。
とあり、8ソケットのシステム程度ではディレクトリ方式は過剰だと判断した、ということのようだ。

また、
Nehalem EXはEPと比較するとコア数が2倍になっただけでなく、3次キャッシュ周りとメモリインタフェースが強化されている。ただし、この部分に関してNehalem EPの詳細は発表されていないので、3次キャッシュとCaching Agentなどをリングバスで接続する構造は、Nehalem EPでも同じである可能性もある。
とあり、「4コア→8コアでキャッシュ構造の変更が必要だとIntelは判断したらしい」というのもあやしくなってきました :)

2009年8月28日金曜日

Rainbow Falls

Joergさんのブログに HOT CHIPS 21 の講演資料が公開されている。

Rainbow Falls

16コアを搭載するだけあって、コアとL2$間のクロスバーがとんでもないことになっている。

アーキテクチャよりの発表だったようで、残念ながらダイ写真はもちろん、詳細レイアウト済みのCAD画面もなく、概略フロアプランの図のみが公開されたようだ。

ひょっとすると、開発はあまり順調でないのかもしれない。Oracleによる買収の影響を受けている可能性もある。

また、Rainbow Fallsに載る予定の、セキュリティアクセラレータに関する発表の講演資料も。

Hotchips: Sun's 3rd generation on-chip UltraSPARC security acclerator

こちらは、EE Times の記事。

Sun, IBM push multicore boundaries
Sun Microsystems claimed a new watermark for server CPUs, unveiling Rainbow Falls, a 16-core, 128-thread processor at the Hot Chips conference Tuesday (August 25).
Rainbow Fallsは16コア×16スレッドではなく、16コア×8スレッド(128スレッド)のようだ。上記のセキュリティアクセラレータの資料にも "8 strands per core on UltraSPARC RF" という記述がある。
Sun's Rainbow Falls will require about 30 percent more power than the previous generation called T2+ which integrated eight cores. However, the new chip?built in a 40nm TSMC process--is about the same size as the T2+.
TSMCの40nmプロセスを使用し、T2+とほぼ同サイズで消費電力はT2+比で30%増とのこと。


['09.10.05 追記]

安藤さん。

Hot Chips 21 - Sunの16コア256スレッドプロセサ「Rainbow Falls」

SPARC64 VIIIfx at HOT CHIPS 21

SPARC64 VIIIfx
- 8コア
- 2GHz
- L2$ 5MB
- 128GFLOPS
- 58W

Fujitsu Aims for 10-petaflop Supercomputer

2009年8月26日水曜日

AMD の Magny-Cours

12コアと言ってもIstanbul(6コア)のニコイチなので、MCMの実装に興味があったんですが、残念ながら論理的な接続しか載っていませんでした。

AMDが12コアCPU「Magny-Cours」の技術概要を発表


['09.09.09 追記]

安藤さんによる解説記事。

Hot Chips 21 - サーバ向けプロセサの「Magny-Cours」と「Nehalem EX」

2009年8月25日火曜日

Intel がマルチプロセサ向けのソフトウェア会社を買収

Intel社、マルチコア・プロセッサ向けプログラム開発ツールの充実を図る

地味ながら着実な手を打っているようだ。

PC向けであればせいぜい2CPUといったところなので、マルチプロセサ向けの対応なんてハイエンドサーバをやってる会社に任せておけば良かったが、1つのCPUに8つもコアが搭載される時代になってくると、そうも言ってられないというところか。

TSMC の 28nm プロセス

TSMCが28nmプロセスでSRAMの製造に成功したそうだ。

TSMC、28nmプロセスSRAMの製造に成功

ハイパフォーマンス向けではHKMGを導入している。ただし、以前まで開発を続けていたはずのゲートファースト方式ではなく、Intelが採用したゲートラスト方式によるものだそうだ。

一般的にゲートラスト方式の方がコスト高になると考えられているようだが、モノが出来なければ意味がないので、既に量産実績のあるIntel方式に近づけたというところだろうか。

以下は、関連記事。

TSMC,28nm世代のhigh-k/メタル・ゲートにゲート・ラスト方式を採用

こちらでは、ゲートファースト方式からゲートラスト方式への切り替えについても言及されている。

Nokia が PC 市場に進出

かねてからの噂の通り、Nokiaがネットブックを出すそうな。

NokiaがPC市場に進出 Windows搭載の3GミニノートPCを投入

位置情報機能A-GPSも備え、Nokia Music StoreやOvi SuiteなどNokiaの各種ネットサービスも利用可能。Ovi SuiteでBookletとスマートフォンを同期化することもできる。
ここらへんが売りなのだろうが、果たしてAppleのように上手く商売ができるのかどうか。市場に「普通のネットブック」としてしか認識されなかったとしたら、とても勝ち目はないと思われる。


['09.08.26 追記]

携帯からPCへ――Appleの逆を行くNokiaの覚悟と勝算
「PC業界の利益率のレベルは知っている。それを知った上で参入した」とNokiaの携帯電話部門責任者カイ・オイスタモ氏はReutersに語った。
まあ、そうだろうねえ。

「PCの世界に新たな視点を持ち込むチャンスがある」と同氏は語り、Nokiaは長いバッテリー駆動時間と常時接続を取り入れると付け加えた。
新たな視点って何だろう?
「問題は、Nokiaがどうやって差別化するかということだ。既に多数のメーカーが参入している。差別化できれば、競争上有利になる」とGartnerのアナリスト、カロライナ・ミラネシ氏は語る。
別にアナリストじゃなくても、そのくらい分かりますって。

さて、どうなりますか。


['09.08.28 追記]

ARMベースのスマートブックも出すという話が。

Nokia plans ARM based smartbook

一方でLinux搭載のスマートフォンなんてのも。

Nokia、Linux搭載スマートフォン「N900」発表

Symbianでは上の方は目指さないということだろうか

2009年8月21日金曜日

2009年8月13日木曜日

Microsoft と Nokia が提携

MicrosoftとNokiaが、モバイル版Microsoft OfficeをSymbian OS上で利用可能とする、といった内容の提携を発表した。

MicrosoftとNokiaが提携,モバイル版OfficeをSymbian携帯電話に

Nokiaは6月のIntelに続き、かつてのライバルと手を組むことになる。
米Gartnerの調査によれば,2009年第1四半期のスマートフォン市場におけるNokiaのシェアは41.2%でトップ。ただしiPhoneやBlackBerryの影響などで,前年同期の45.1%に比べて減少しており,テコ入れを迫られていた。

とあるように、かつて絶対的強さを誇ったNokiaの姿はそこには無いようだ。

Microsoftにしても、スマートフォンではiPhoneやBlackBerryの後塵を拝しており、渡りに船といった状況だろうか。Windows MobileとSynbian OSの関係がどうなるのかといった点でも、今後が注目される提携である。

なお、以下の記事によれば、成果が出てくるのは少し先の話のようだ。

マイクロソフトとノキア、携帯電話への「Office」搭載で提携--RIM追撃を狙う
しかし、今回の提携が成果をもたらすには、しばらく時間が必要になる。両社が2010年において公約しているのは、「Communicator」インスタントメッセージングプログラムをSymbianに搭載させることのみだ。
MicrosoftのTakeshi Numoto氏は「最初の成果物が出てくるのは2010年となる」とインタビューで述べた。「それ以上のことは検討中」(Numoto氏)
このことをふまえた場合、携帯版「Excel」「PowerPoint」「Word」「OneNote」がSymbian携帯に初めて搭載されるには2011年までかかり、またその場合も単にEシリーズから導入を始めると考えるのが妥当のようだ。

2009年8月11日火曜日

Rock is dead

SunがRockの開発を中止したようだ。

Sun's Rock is barefoot on Abbey Road
According another source who is high up in the IT offices at a major financial services firm in Europe, Sun told its biggest customers in Europe in the third week of June that Sun had "axed the Rock completely."

それから、
Rock (中略) had "severe performance issues" when more than one processor was hitting the Supernova server backplane.

というのがキャンセルの最大の理由だとか。

また、この情報を裏付けるかのように、

6858457 Remove Solaris support for UltraSPARC-AT10 processor

なんて話が。

2009年8月7日金曜日

たとえば対戦型ラウタ

経路が重なったときはバトル発生! 敗者は他の経路を探さなければならない。

# 何か違う気がする。

【DAC 2009】「最後に頼れるのはヒト?」,Human Computationで2件の発表
もしLSI設計のどこかの段階でうまく切り出せてパズルにできるような問題が見つかれば,例えば夕方インターネットで公開して,次の朝には世界のどこかの誰かが最適な解を報告してくれるかもしれない。
## クリティカルパス担当の人は「ずっと俺のターン!」

2009年8月6日木曜日

便利さとセキュリティのトレードオフ

アメリカ海軍が海軍内のネットワークからのSNS(Twitterを含む)の利用を全面禁止したそうだ。軍隊ともなれば、情報漏えいのリスクを考えると当然といえば当然か。

ところで、
アメリカンフットボールチームのGreen Bay Packersでは、ミーティングの内容をSMSやTwitterで流したチームメンバーには罰金を科すつもりだと通告があったという。Miami Dolphinsでも選手に対してTwitter禁止令が出ているほか、San Diego Chargersの選手Antonio Cromartieが同チームキャンプの食事への不満をTwitterで流したことで2,500ドルの罰金を申し渡されている。

アメリカらしいネタというか、なんというか。

増えだしたTwitter系トラブル - 米海軍はSNS全面禁止令へ

2009年8月5日水曜日

TSMC の HKMG は前途多難?

GLOBALFOUNDRIESがTSMCより技術的に優れているなどという分析結果が出されていたりしたが、それを裏付けるかのように、TSMCがhigh-k/メタルゲートの導入でトラブっているという話があるようだ。

Commentary: Did TSMC delay high-k--again?

2009年8月4日火曜日

2009年8月1日土曜日

Nvidia による DAC 基調講演

Nvidiaでは、設計の極めて初期の段階で電力の見積もりが可能な、高位設計ツールが必要とされているようだ。

# EDAでGPU使えって話は、NVdiaの人が言うのは当然なので、とりあえず置いておく。

Nvidia chief scientist to EDA: Give us power tools
Chip designers will need tool and techniques to optimize power, interconnect and locality, Dally said.
"We are really looking to EDA to give us power tools," Dally said.
Tools are needed to enable power exploration and analysis at the architectural levels, Dally said. "I want high-level tools that allow you to gain insights into power architectures very early in design," he said.

Intelの45nmプロセスの歩留まりが短期間に向上した理由

Tech-On!の小島さんが、Intelの45nmプロセスの歩留まりが短期間に向上した理由の一つとして、トランジスタのレイアウト方法が変更されたことが考えられると推測している。

【DAC 2009】米Intelの45nmプロセスの歩留まりが短期間に向上した理由の一端を知る

記事中の図を見れば分かる通り、65nmから45nmの間で配置制約がかなり厳しくなっており、構造が単純化していることが分かる。主目的としては、OPCなどで必要となる設計ルールを減らすことのようだが、結果的に不良率の早期低減にもつながったのではないか、としている。

確かに、十分考えられることだろう。

Intelの資料には、65nmプロセスと32nmプロセスのレイアウトの特徴として以下のような説明がある。

65nm
- Bi-directional features
- Varid gate dimensions
- Varid pitches

32nm
- Uni-directional features
- Uniform gate dimension
- Gridded layout

2009年7月31日金曜日

GLOBALFOUNDRIESが大口顧客を獲得

GLOBALFOUNDRIES,STMicroから半導体製造を受託,AMD以外との契約は初めて
STMicroelectronicsは,40nmプロセス・ルールの低消費電力半導体の製造を委託する。フォトマスク作成用データの受け渡し(テープ・アウト)と生産開始は2010年の予定。
とりあえず1社目、ということで。

2009年7月30日木曜日

Samsung の Hummingbird

サムスン、スマートフォン向け最新モバイルプロセッサを発表--次期iPhoneで採用か?

AppleがiPhone用プロセサを自社開発するという噂がある一方で、現行のiPhone 3GS用プロセサの製造元であるSamsungが動作周波数1GHzのモバイルプロセサを発表した。

Samsung, Intrinsity pump ARM to GHz rate

アーキテクチャはCortex A8であり、消費電力はわずか640mWとのこと。

Samsungを馬鹿にするわけではないが、この高速化と低消費電力化には、共同開発したIntrinsityが大きく関わっていると思われる。

Intrinsityについてググってみると以下のような記事が見つかった。

【EPF速報】Intrinsity社,2GHzで動作するMIPSチップの詳細を明らかに

ARM と Intrinsity、Cortex-R4 の高性能実装「Cortex-R4X」

1つ目の記事は、2002年(!)に2GHzのマイクロコントローラを発表したという記事であり、2つ目の記事はCoretex-R4の高性能化で、本家のARMと提携したという記事である。今回のSamsungのチップが上記2つの記事にあるnMOSドミノ回路を使ったものかどうかは定かではないが、今後しばらくはInstrinsityの動向に注目しないといけないかもしれない。

直接関係あるかどうかは分からないが、以下のような記事も。

【DAC 2009】32/28nmのSoCでARM, Chartered, IBM, Samsung, Synopsysの5社が手を組む
ARMはIPコア/回路ライブラリ,SynopsysはEDAツール,残りの3社(Chartered,IBM, Samsung)は「Common Platform」経由で製造サービスを主に提供する。設計,IPコア/回路ライブラリ,製造サービスの三つの要素がそろったことで,「完全に垂直統合されたSoCのソリューションを提供できるようになった」

CAD屋だから言うわけではないが、やはり注目はEDAベンダであるSynopsysが提携に加わっているということだろう。最近のTSMCは以前に比べてEDAに積極的に関与するようになっている。プロセスの微細化が進むにつれ、純粋な水平分業が成り立ちにくくなっているのではないだろうか。

以前、日本の半導体メーカーが水平分業ではないことを強みとしようとしていたが、こういう提携によってそのような強みは簡単にひっくり返されてしまうだろう。経営の判断スピードは重要なのである。


['09.09.28 追記]

IntrinsityのFast14 Technologyについて解説した記事を、たまたま見つけた。

AMCCとARMの新プロセッサ

特徴としては
  • 4フェーズの位相クロックを使っており、このクロックのオーバーラップタイミングを使ってゲートのアクセスが行なわれる関係で、ラッチが不要
  • 1-or-N Dynamic Logic(NDL)と呼ばれる、独自のデータの持ち方をすることで、回路規模を大幅に削減する
  • NMOSトランジスタのみを使うことで、消費電力を減らす
  • Expert Routing Technologyと呼ばれる独特な配線技法により配線の効率化を図る
といった事が挙げられる。

2009年7月24日金曜日

投げメール

携帯向け「拡張現実」が熱い “投げるメール”も ドコモ、KDDIがデモ
投げメールは、モーションセンサーと位置情報を利用したサービスで、携帯電話を投げるように振ることで、向いている方向にメールを送れるというものだ。
メール出そうと思ってケータイ投げちゃう人続出だろうよw

Wiiのコントローラみたいにジャケットかぶせて、ストラップを巻いてやればいいのかな?

ブーメラン型ケータイなら、投げても戻ってくるから安心、とか。

ヨーヨー型ケータイなら(ry

2009年7月23日木曜日

POWER7搭載サーバは'10年上半期に出荷開始

米IBM、次世代プロセッサ「POWER7」搭載のサーバー出荷を2010年上半期に開始

販売開始までにPOWER6/6+搭載サーバを購入したユーザは、POWER7搭載サーバへのアップグレードが可能とのこと。

IBM lifts the veil on Power7 chips

メインメモリとしてDDR3がサポートされることが明言された以外は、具体的な出荷時期を含め、これといった新しい情報はなかったようだ。論理パーティショニング機能が強化されるようだが、これはコア数が増えるのであるから、当然といえば当然のことだろう。

HOT CHIPSを前にして、あまり内容のない発表ということで、SPARC Enterpriseの発表に被せてきた可能性もあるだろうか。

IBM、『POWER7』搭載サーバーのアップグレード パスを発表

アップグレードパスとは、いわゆるフォークリフトアップグレードではないとのこと。

The Registerの記事をよくよく見れば、
According to Handy, the Power 595 machine, which is a big SMP box with NUMA-ish cache coherency, will be upgradeable by swapping out processor motherboards (what IBM calls books) with Power6 chips and swapping in Power7 boards.

とあり、CPUボードの交換で対応するようだ。

ただし、
The Power 570 has a slightly different architecture, with processor cards plugging into a chassis and several chassis being linked together with NUMA-ish chipsets and presenting a single system image, but Handy says that the way IBM is upgrading Power 570s from Power6 and Power6+ chips to Power7 chips will allow it to legally preserve serial numbers.

ともあり、Power 570についてはシステムボードごと交換する必要がありそうである。


['09.07.25 追記]

安藤さん。

最近の話題 2009年7月25日
このアップグレードですが,IBMがBookと呼ぶ,CPU,メモリなどを搭載した大型のマザーボードを交換するとのことで,システムの主要部分が入れ替わることになりますが,筐体は残るので,それに付けられたシリアル番号も残ります。シリアル番号が変わると税法上,前の設備を廃却して新規の装置を購入したことになりますが,シリアル番号が残ると既存の設備のアップグレードで税法上有利になります。エンジニアとしては,どっちでも同じジャンと思うのですが,米国では,ここは重要なポイントです。

シリアル番号のくだりは、そういうことでしたか。

2009年7月17日金曜日

理研 次世代スーパーコンピュータ

NEC、日立の撤退を受け、新しいシステム構成が決定された。
スカラ型単独の構成となり、性能目標と完成時期は当初の計画通りである。

次世代スーパーコンピュータの新システム構成を決定
基本ソフトウェア(OS:オペレーティングシステム)にはLinuxを採用

OpenSolarisではないのか。


['09.07.24 追記]

Fujitsu says biz to pick up in 2010
The surprise is that this Sparc machine will not run Solaris - well, at least a surprise for Oracle as it acquires Sun Microsystems - but rather a Fujitsu variant of Linux.

OSがSolarisではないことは、やはりサプライズなのだろうか?


['09.08.26 追記]

HOT CHIPSのPOWER7の発表に被せて(ちがうか)、次世代スーパーコンピュータの情報が公開された。

富士通、世界最速を目指した次期スパコンの開発状況を説明

2009年7月14日火曜日

Appleがタブレット端末用プロセサを開発中?

P.A. Semi、うわさのアップル製タブレットでチップを設計か--Venture Beat報道
Dean Takahashi氏は13日、「P.A. Semiのチームは、『iPhone』および『iPod』向けにポータブルデバイス用のARMベースプロセッサを設計する部門と、タブレットデバイス向けにプロセッサを設計する部門の2つに分割された」と書いた。
ほほう。

['09.07.27 追記]

Steve JobsがAppleのタブレット機を大いに気に入って「2010年1-3月に出せ」と至上命令

来年の第1四半期には出すとのこと。

P.A. Semiの買収は昨年の4月のことなので、その時点から新規にチップを開発していたとしても、絶対無理とは言えないものの、普通は間に合わない計算だ。

そうなると、ARMではなくPWRficientの改良版を使う可能性が再浮上してきそうだ。

['09.08.18 追記]

有力ソフトのPowerPCのサポートが次々と打ち切られている。

アドビ、Mac向け次期「Lightroom」をインテル搭載マシンのみに対応へ

どうやら、PWRficientの復活の目は無さそうだ。

2009年7月10日金曜日

[メモ]個人端末向けプロセサ

ARM
- Freescale : i.MX
- Marvell : XScale
- NVIDIA : Tegra
- TI : OMAP
- Qualcomm : Snapdragon

※上記以外にAppleがiPhone用に自社製プロセサを開発中との噂あり。
(iPhone 3GSではOMAP3相当の機能を持つSamsung製プロセサを使用)

x86 - Intel : Atom

MIPS - RMI : Alchemy


['10.01.12 追記]

Marvellは'09年10月にXScaleに代わる新ブランド "ARMADA"を発表している。

Marvell,ARMベースのプロセサ「ARMADA」を発表

MicrosoftのブラウザOSプロジェクト「Gazelle」

Google Chrome OSが表に出てきたところで、MicrosoftもブラウザOSの研究をしてるんだよ、というお話。

マイクロソフトのブラウザOS「Gazelle」から探る「Google Chrome OS」
GazelleはWebアプリを処理するためのブラウザ・ベースのOSだ。MSRはマルチ・プリンシパルOS(multi-principal OS)と説明している。この場合のプリンシパルとはWebサイトを指す。基盤OS(Windows)の上に、約5000ラインのC#コードで書かれたブラウザカーネルのレイヤが存在するのが特徴で、このブラウザカーネルが様々なプリンシパルとシステム・リソースを仲立ちし、リソースの共有や保護を実現する。
今日のブラウザとGazelle (=ブラウザOS)ではセキュリティの目的が異なるのだ。ChromeやIE 8のマルチプロセスは、ユーザーのブラウジング全般においてトラブルを最小限に抑えられるように封じ込めるのを優先した設計といえる。セキュリティという点では、ブラウザやWebからホストマシンを保護するのを目的としており、そのためにはプロセスのサンドボックス化は有効である。
しかし、それはローカルアプリに加えて、Webアプリケーションも利用するというレベルの話だ。Webでやり取りされるデータ、Webに取り込まれる機能が増えるほどに、ブラウザのアプリケーション・プラットフォームとしての側面が重視されるようになる。Webアプリ主体のコンピューティングでは、ホストマシンだけではなく、ブラウザも十分に保護する必要が出てくる。そのためにはブラウザをOSと捉え、今日のホストマシンに加えて、ブラウザにおけるプリンシパル単位の保護を実現しなければならない。
Googleがブラウザを動かすために最適化されたOSを提供しようとしているように見えるのに対して、こちらはブラウザにOSの機能を組み込もうという話に見える。ただ、結局出来てくるものは似たようなものかも知れないし、実はGoogleの目的もMicrosoftと同じなのかも知れない。
GoogleがGazelleを意識しているかは分からないが、今後Microsoft内でGazelleのようなプロジェクトの存在が大きくなれば、結果的にGoogleにも利益がもたらされる。極端な話をすると、たとえChrome OSが伸び悩んだとしても、その存在に刺激を受けてMicrosoftがGazelleのようなプロジェクトに本腰を入れ始めてWebが前進すれば、それはGoogleの勝利といえる。
シェアの争いなどではなく、ゲームのルールを根本的に変えてしまえるかどうかの争いということか。

でも、さすがに
このように考えると、Gazelleプロジェクトを表舞台に呼び出すために、このタイミングでGoogleはChrome OSを発表したのではないか……とも思えてくる
ってのは、うがち過ぎなんじゃないかと思うけど。

2009年7月9日木曜日

NECエレもファブライト?

NECエレ、次世代半導体量産へ受託会社を本格採用
NECエレクトロニクスは回路線幅32ナノ、同28ナノメートル(ナノは10億分の1)プロセスを採用した次世代半導体の量産について半導体ファウンドリー(受託製造会社)を本格採用する。(中略)生産能力を上回る受注分のみを外部委託する基本方針を撤回し、需要やコストを検討し戦略的に活用する。
先端プロセスの製造をやめるわけではないようだが、22nmがあるかというと、無さそうである。

アメーバピグ

仮想空間「アメーバピグ」50万人突破 有料アイテム好調、月数千万円の売り上げ

アメブロで「ピグおもしろい」ってのをちらほら見かけるんだけど、実際のところ流行ってるみたいだ。どういうところが人を引き付けるんだろうか。他の仮想空間と違いはあるのか。

2009年7月6日月曜日

Twitterは今どこ?

440:ひろゆき 2006/02/25 10:26:17 exrSjzl50 BE:303168-#
>>434
雑談系はどこもそういう流れになるですよ。

初期:
面白い人が面白いことを書く
中期:
面白くない人が面白いものを見に来る
終末期:
面白くない人が面白くないものを書き始める
はてさて?


['10.01.26 追記]

マスコミでもいろいろ取り上げられだして、ちょうど電車男の頃の2ちゃんねるみたいな感じですかねえ。


['10.02.23 追記]

Twitter題材のドラマだそうで。

ついにTwitter題材のテレビドラマが登場、フジテレビで4月から

ただ、北川悦吏子が脚本で主演が瑛太と上野樹里となると、電車男とはだいぶ違った感じのドラマになりそうだ。

2009年6月25日木曜日

IBMの水冷スパコン

IBMとETH Zurich,新たな水冷スパコンの開発計画を明らかに

職人さんが手作りしてそうな金属パイプを使っている。試作品だからなのだろうか。

IntelとNokiaが提携

IntelとNokia、新モバイル端末に関する長期提携を発表

はっきり見えているところでは

- Moblin、MaemoのLinuxオープンソースプロジェクトでの共同開発
- IntelがNokiaのHSPAモバイル技術のライセンスを取得

といった感じだが、NokiaはAtomを採用するの? とか、Symbianはどうなるの? とか、この提携の先に来るものを考えると非常に興味深い。

しかし、IntelもNokiaも大きい会社なのにフットワークが軽いというか。

Atom携帯かNokia製Netbookか――IntelとNokia、「新しいモバイルプラットフォーム」で協力
アナリストは、Intelはこの提携により、携帯電話チップメーカー大手のQUALCOMM、Nokiaの主要サプライヤーであるTexas Instruments(TI)に対抗するチャンスを得ると語る。
TIとQUALCOMMに携帯電話プロセッサを供給しているARM Holdingsにとっても競争が厳しくなるかもしれない。ARMの顧客は一部でWind River Systemsのソフトを使っている。
Intelは今月、Wind River買収を発表した。Wind RiverはSamsung Electronics、Apple、Hewlett-Packard、Motorolaのデバイスを高速化し、接続するソフトを提供している。
ARMにとってはネガティブファクター、と。

IntelとNokia、無線ブロードバンド時代に向けたモバイル機器開発で戦略提携
Chandrasekher氏は「今回の提携内容は、(1) Intelアーキテクチャをベースに将来のモバイルデバイスを作る、(2) ソフトウェア技術の開発、(3) NokiaからのHSPA/3Gの技術ライセンスの3点のみで、具体的な製品を語る段階ではない」と述べ、製品化を含む次のステップへの移行時期についても回答を避けた。また、この種のモバイル機器へのWiMAX搭載については「今回はNokiaからライセンスされる技術の採用のみ」 (Chandrasekher氏)となりそうだ。
次にNokiaが自社のスマートフォンで採用しているARMプロセッサに話題が振られると、Oistamo氏は「ARMとの長年の提携関係に変化を与えるものではない」と述べ、Intel製プロセッサ採用については明言していない。Intelが開発中の省電力プロセッサの次世代版「Moorestown」 (開発コード名)をプッシュし、Atomプロセッサの利用範囲拡大を狙っていくのが今回の趣旨だとみられていたが、まだそうした段階にはないようだ。
双方ともまだ切り札を切っていないというか、そういう感じ。

ところで、

ARM vs. Intel
そうは言っても、ケータイの世界のチャンピオンであるNokiaあたりがこれに乗ってくるとは到底思えず、
うーむ、外したか。

処理を分割して並列化

ソフトウェア高速化の鍵は「並列化」:いま注目される並列化技術を知る

処理をパイプライン化して並列に実行するってやり方もあるのね。

まあ、言われてみれば当たり前か。

2009年6月24日水曜日

HP版iPhoneと言ったら褒めすぎか

HP、PC不要の“Webプリンタ”「HP Photosmart Premium with TouchSmart Web」発表

 - プリンタ単体でWebアクセス。
 - プリントアウト用アプリをダウンロードしてインストール可能。

「プリンタメーカー」HPの面目躍如といったところ。

2009年6月18日木曜日

三次元構造NANDフラッシュメモリ

東芝、SSDの大幅なコスト削減を可能にするNANDフラッシュを試作
細長い柱状(ピラー状)のシリコンをウェハ表面に碁盤の目のように並べ、ピラーの側面にゲート電極を上下に並べる。シリコンの柱はソース電極とドレイン電極になる。
すごいなこれ。どうやって作るんだろう。想像できない。

【VLSI】東芝が多値・32Gビットの3次元NAND型フラッシュを開発

形成プロセスの説明図が載っているが良く分からない。

関連記事として挙がっている以下の記事に詳細な説明があったが、やっぱり良く分からないw

【VLSI】東芝,次々世代NANDをにらんだ3次元のSONOS構造を発表

【IEDM】東芝の超高密度フラッシュ向けセル積層技術が進化,セルのしきい値バラつきを削減


['09.07.15 追記]

Samsungが急追しているそうだ。

開発リソースの差を乗り越えられるか
Samsung Electronics社といえば,複数のチームが同時に競い合いながら,総当たり式に開発を進めることで有名です。そうした手法に対し,東芝が有効な対策を打ち出せるのか,今後も注目していきたいと思います。
さて。

2009年6月17日水曜日

She's a Rainbow

HOT CHIPS 21のプログラムが発表されていたようだ。

Hot Chips 21 has a stellar lineup

"Server systems II" のセッションにおいて、以下の発表がある。おそらく、UltraSPARC T3であろう。

 - Sun's Next-Generation Multi-threaded Processor - Rainbow Falls

また、同じく "Server system II" では、POWER7がいよいよベールを脱ぐようだ。

 - POWER7: IBM's Next Generation POWER Microprocessor
 - POWER7: IBM's Next Generation Balanced POWER Server Chip

さらに、"Computing Accelerators" のセッションでは、SPARC64VIIIfxの発表が。

 - SPARC64(TM) VIIIfx: Fujitsu's new generation octo core processor for PETA scale computing

ところで、UltraSPARC T3のコードネームは"KT"じゃなかったか、と思って調べてみたら、しばらく前に変更になっていたらしい。

Comments on “Intel releases eight-headed* beast”
I don't know where AC got his bogus roadmap from, but he should ask a Sun contact to show him the latest public document! The SPARC 64 VII line includes Jupiter+ and Jupiter++, as you'd expect, and the CMT line includes Rock and two 40 nm processors code-named RF (Rainbow Falls - formerly known as KT) and YF (Yosemite Falls).

2009年6月16日火曜日

Is Rock dead?

Sun killing 'Rock' Sparc chip?

Sunの公式回答が "no comment re: Rock," ってことは、そういうことなんだろうか?

「SunがサーバプロセッサRockの開発打ち切り」の報道

ネタ元は New York Times だったようで。どうやら本当っぽい。


['09.06.17 追記]

Comments on “Sun killing 'Rock' Sparc chip?”
Next week Sun was to present a paper at the International Symposium on Computer Architecture:
"Simultaneous Speculative Threading: A Novel Pipeline Architecture Implemented in Sun's ROCK Processor"
See: http://isca09.cs.columbia.edu/papers.html
this is weird - sun just scheduled a presentation of rock in hamburg, supposedly live hardware will be demoed:
http://www.c0t0d0s0.org/archives/5643-preHHOSUG-ROCK-NDA-Praesentation.html
さて。

2009年6月15日月曜日

6Tr→8TrでSRAMの消費電力が減る?

8Tr化で低電圧化できることと、8Tr化しても全ての問題が解決するわけではないことの説明。

0.5V駆動LSIの技術課題,低電圧化はなぜ難しいのか
SRAMの低電圧化を可能にする技術として,ここへ来てセルを構成するMOS FETを従来の6個から8個に増やす「8T型SRAM」が関心を集めている。これは,従来の「6T型SRAM」の一方のデータ保持ノードに読み出し用MOS FETと選択MOS FETを加えたものである(図9(b))。読み出し用と書き込み用のポートを分離することで,読み出し時の非選択セルへの電圧印加を抑えられる。この結果,MOS FETのしきい電圧の変動によりデータが破壊される現象を防げる。8T型は既に実用化段階に入っており,Intelは先に述べた「Nehalem」のキャッシュの一部に8T型SRAMを採用している。
ただし,8T型もSRAMの低電圧化の「最終的な解にはならない」(東京大学 生産技術研究所 教授の桜井貴康氏)と見る向きが多い。動作状況によっては6T型と同じ読み出しモードが発生し,非選択セルへの電圧印加によってデータが失われるためである。この結果,8T型SRAMは用途が限定的になる可能性が高い。さらに,8T型は6T型に比べてセル面積が約30%増大してしまう。チップ面積をここまで増大させることは,「半導体技術者にとっては敗北とも言える」(同氏)事態である。
参考エントリ:
Nehalem の省電力技術

2009年6月11日木曜日

HPのFriendlee

HP、携帯向けソーシャルネットワークアプリ「Friendlee」を開発中
Friendleeは、ユーザーが誰と多くのやりとりをしているかを記録し、やりとりの多い順に友人のリストを作成する。
なんか、面白そう。

たとえば、片思い的な関係の場合どうなるんだろう? やっぱり両思い的な関係の方が重み付けは大きいのかな。

あるいは、スパムコメントはどうするとか、変な人に粘着されたらどうするとか。

Because it is there.

OpenSolaris ported to ARM chips

OpenSolarisスマートブックが出る?


['09.06.16 追記]

EE Timesの翻訳記事。

サン社、OpenSolarisをARMへ移植
ARM移植版は当初、NECエレクトロニクスのカーナビゲーション用システムLSI「NaviEngine 1」専用のOSとして開発されたという。
LinuxではなくOpenSolarisを採用した理由は何だろう?

NaviEngineについては、以下の記事など。

NECエレがカーナビ用LSI発売、4コア集積で1920MIPSを5Wで達成

2009年6月8日月曜日

WalkAndroid

ソニー、ウォークマンのOSに「アンドロイド」を採用へ

Panasonicは開発プラットフォームとして自社でUniPhierを立ち上げたわけだけど、Sonyはそ
ういうことはせず、Androidに乗っかるということなのだろうか?

NEC脱落の真相?

スパコン国家プロジェクト NEC脱落の真相
先の技術者は、「NECの若手技術者たちがスカラー型の開発を強く主張した結果、NECの幹部もベクトル型よりスカラー型を重視するようになった。これがきっかけになり、文科省の次世代スパコンのプロジェクトからNECが降りた」と見る。
NECはスパコン事業の継続を発表しているが、今後はスカラー型が中心になるだろう。ベクトル型の演算性能はそこそこの複合型を出荷する可能性もある。
こ、これはSIMD拡張でVR復活かっ!?

なんてwktkなことではきっとなくて、Xeonを使ったスパコンを作るってことなのだろう。注目はベクトルとのハイブリッドをどのような形で実現してくるかというあたり。理研方式のようにベクトルはベクトルで独立した形で提供するのか、あるいは、アクセラレータ的な組み合わせ方をするのか。大穴ではLarrabeeスパコンなんてのもありかも。

2009年6月5日金曜日

Intelが本気だ

米Intelが組み込みの米Wind Riverを8億8400万ドルで買収-モバイル戦略強化

携帯端末や組み込み市場向けでは、CPU単体ではキーコンポーネント足りえず、OSや開発環境まで含めた形で売らないとダメということか。

Appleが自社製CPUを作ろうかという動きと比較してみると面白い。

こうなってくると、日本企業に残された道は組み立て屋さんかアプリ屋さんなのかな? 組み立て屋さんだと台湾、中国あたりと勝負にならないし、アプリ屋さんだと大企業という形を取る必要はないし。

「もし日本に半導体製造を残すなら」

もし日本に半導体製造を残すなら

TSMCのプロセスをデファクトスタンダードとして、それと互換性のある工場を持てばいい、と。

なかなか面白い考えだけど、それってTSMCにとっては何の利点も無いような。利点がないのに話に乗ってくるわけがないと思う。そして、そんなことを言っている間にも、日本企業のファブレス、ファブライト化はどんどん進行している。

結局、どうしても半導体プロセスエンジニアを続けたい人は、TSMCや他のファウンドリに転職するしかないんだろうか?


['09.07.07 追記]

TSMCで開発者を募集していますね。

「研究開発者を30%増やす」,台湾TSMCが2009年の研究開発方針を発表

2009年6月1日月曜日

Google Wave

結局、データ共有ができて、アプリも置けちゃったりするLingrということで良いのだろうか?

「Googleすげー」って言ってる人は、エジケンさんのことも少しは思い出してあげて。

スマートブック

クアルコムとフリースケール、ネットブックに対抗する「スマートブック」を提唱

ARM陣営はネットブックに対抗して、「スマートブック」で行くらしい。

ARM陣営と言っても、NVIDIAは距離を置いているようだ。NVIDIAとしては、GPUが売れるなら、ARMでもAtomでもどちらでも良いということだろうか。

また、ARMと言えばAppleもそうだが、AppleはARM陣営というイメージではないだろう。

【COMPUTEX 2009レポート】Qualcomm、Snapdragonベースの「スマートブック」PCを発表~ASUSのAndroid採用Eee PCなどが展示

次世代Snapdragon「QSD8650A」は、45nmで1.3GHz。消費電力も3割削減。

2009年5月28日木曜日

15 designs from 8 OEMs

Nehalem EX の 8ウェイサーバは8社が製品化するらしい。

米Intel、8コアXeon「Nehalem-EX」の情報を公開

今まで、Xeonの8ウェイサーバを継続的に販売していたのは、実質IBMだけだったように記憶している(NECはどうだったかな?)。いよいよ、各社でRISC/IPFのXeonによる置き換えが始まるということなのだろうか。

それにしても、8社って多い気が。どうせ、Dellあたりは出さないんだろうし。

まあ、インターコネクト用チップを用意する必要が無くなったので、参入障壁はかなり下がっている訳か。

2009年5月26日火曜日

富士通マイクロエレクトロニクスはNECエレクトロニクスとの統合を目指していた

ファブライト化に賭けた富士通,社内IT部門との連携で生き残り模索
富士通マイクロエレクトロニクスは,元々NECエレクトロニクスとの事業統合を目指していた。
そうなんだ。

本体同士はともかく、子会社同士は良い組み合わせだったと思うんだけどな。

関連エントリ:
富士通マイクロエレクトロニクスがTSMCと提携

2009年5月21日木曜日

Nehalem EX 来週デビュー?

Tulwilaより先に出ちゃうの?

Intel's eight-core Nehalem-EX out next week

いよいよ、SPARC終了のお知らせ、なのだろうか。


['09.05.22 追記]

発表されるというだけのようだ。

INTELとAMD、それぞれ新メニーコア投入へ
Nehalem EXを搭載したシステムが登場するのは、年末あるいは来年初頭になる見込みだ。
Itanium終了のお知らせ、でもあるのかも知れない。

Intel's Tukwila slips yet again
During final system-level testing, we identified an opportunity to further enhance application scalability best optimized for high-end systems. This will result in a change to the Tukwila shipping schedule to Q1 2010.

2009年5月20日水曜日

SPECpowerに対するSunの中の人の言い訳

Sunの中の人が、SPECpower_ssj2008にSPARC Enterpriseを登録していない(SPECpowerにおいて SPARC Enterprise Tシリーズが一般的なIAサーバに敵わない)言い訳を書いている。

SPECpower Issues Watts up? Two views

意訳(?)すると、SPECpowerのベンチマークを計測しているシステムの構成(メモリやHDD容量が少なかったり、電源やファンが冗長化されてないかも?)で買う客なんていねえよ! SunはSPECpowerを登録する代わりに、他のベンチマークを計測した時のシステム(=客が買うような構成)の消費電力を公開してるもんねー、という感じ。

まあ、猪木アリ状態なわけだが、Sun自身がXeonサーバを登録しているので、ちょっと苦しいところ。ただ、上記のような言い訳ができるくらいには健闘していると考えて良いのではないか。

また、システムの消費電力においては、CPUの消費電力より、メモリやHDDの消費電力や、電源の変換効率の方が重要だったりするというのは、その通りだと思う。

2009年5月15日金曜日

NECが次世代スパコン撤退

NEC、次世代スパコン撤退…巨額の開発費負担を削減

飛ばし記事くさい。

SX-10は出しませんよ、ならまだ分かるけど、この時期にペタコン撤退ってありえないと思う。建屋は作っちゃってるわけだし。

…なんて思ってたら、マジだった。

次世代スーパーコンピュータ・システムの構成を見直す
現在、システム開発は詳細設計の最終段階に進んでおり、今後、製造段階(試作・評価、製造)へ移行する計画です。この移行期にあたり、NECは、理研に対して製造段階には参加できないと申入れし、理研は次世代スーパーコンピュータのシステム構成を見直すこととしました。NECは、世界的に経済状況が悪化している中、次世代スーパーコンピュータ・プロジェクトの製造段階への不参加を決定しました。
# 飛ばし記事だなんて書いて、ごめんなさい>読売新聞

仮に富士通が止めますなんて言い出しても「じゃあスカラ部はIntelで」なんてことも可能(ほんと?)だけど、ベクトルチップ作れるところなんて、今やNECだけじゃないの。どうすんのよ?

一方、スパコン事業は継続するとのこと。

文部科学省「次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト」への参画形態の見直しについて
なお、NECは今後も、継続してベクトル技術の継承・発展を図り、最先端のスーパーコンピュータシステムの開発・提供を進めてまいります。
国プロ蹴飛ばして事業継続なんてできるんだろうか?

そして、日立も撤退する模様。

次世代スパコン:NEC、日立が開発から離脱 負担回避で

まあ、もとから日立が何をやるのかは、外からは見えてなかったけど。

さて、残った富士通はおいしい立場になったのか、ババを引いたことになるのか…。

[続報]国策スパコン、複合システム断念へ
ベクトル部の中心となって開発していたNECが撤退を表明したことで、理研は「現実的に考えて複合システムの開発は困難になった」(次世代スーパーコンピュータ開発実施本部)との認識を示す。日立も「ベクトル部の開発を当社単独で担当することは不可能と判断している」(広報)という。
うーん…。
日立はNECと契約してプロジェクトに参加している。理研との直接的な契約関係はないため、現段階ではNECとともに本件から撤退することになる。
そうだったのか。
今後、日立が理研との直接契約に及ぶかは決まっていない。「理研から相談があれば協力していく意思はある」(広報)とした。
日立はまだ諦めてない? ストレージかな。
理研は「技術的にはスカラ部だけでも十分に10ペタFLOPSの実現が可能」(次世代スーパーコンピュータ開発実施本部)としている。
ふーん。

ところで、2つ目のプレスリリースで、
製造フェーズに参画した場合、本体製造に関連する投資が相当額発生することが見込まれ、
とあるが、この「本体製造に関連する投資」について、NECエレがハイパフォーマンス向けプロセスの立ち上げを諦めたのではないか? という推測が2ちゃんねるにあった。

なるほど、現在もSX-9等を製造しているのだから、サーバを製造する設備に新たに大規模投資が必要だとは考えにくく、半導体設備への投資を意味するというのは十分考えられる。また、光インターコネクト云々という話もあったと思うので、そちらかも知れない。

POWER7 と Blue Waters

2008年5月にユタ大学で行われたIBMの講演資料

POWER7
- 45nm
- 4.04GHz
- 8コア/チップ
- 2チップ/ソケット
- 4-way SMT
- 32.3GFLOPS/コア
 (4.04 [GHz] x 2 [way DP SIMD] x 2 [multiply-add] x 2 [num. of VSX units])
- 258.6GFLOPS/チップ, 517.1GFLOPS/ソケット

Blue Waters
- プロセサ数: 38,912
- コア数: 311,296
- ピーク性能: 10.06PFLOPS
- メモリ: 623TB
- メモリバンド幅: 5.0PB/s
- インターコネクト: 1.37PB/s
- ストレージ: 26PB
- ラック: 114
- 面積: 4452平方ft (413.6平方m)
- 電力: 10.3MW


当然と言えば当然だが、The Register の記事の内容とほぼ一致する。

2009年5月13日水曜日

Xcore86

乾電池で動く200ドルのミニノートPC

単3電池で動くノートPCというのも興味深いが、ここではそれに使われているCPUの話。

Xcore86という名前で、開発元はタイの Xcore Corporation Ltd. とのこと。

組み込み向けx86チップであるVortex86がもとになっているらしいが、Vortex86自体良く知らない。Vortex86については以下の記事が詳しい。

どっこい生きてたmP6

上記の記事では、130nmで300MHz、90nmで600MHzということなので、おそらく65nm化して更に高速化(1GHz)された石ということなのであろう。

低消費電力に振った設計だろうとは言え、x86を1GHzで動かして消費電力1.2Wというのは、なかなか凄いと思う。まあ、組み込み向けコアで1GHzでは、WindowsXPは「一応動く」だけだとは思うが。

# CPUと言うよりは、1チップPCと言った方が近いのだろうか?

2009年5月12日火曜日

Nehalem EX がブレードに載る

Fujitsu goes dense with Nehalem blades
While Fujitsu is not announcing a high-end blade today, Duran said that a four-socket blade based on Intel's forthcoming "Nehalem EX" eight-core beast, presumably to be sold as the Xeon 7500. The Nehalem EX blade will be called the BX960 S1, and its salient features are not being provided now. But it stands to reason that it will be a full-height blade with lots of DDR3 memory slots, with probably up to 192 GB of memory per blade if Fujitsu doesn't have to cut back on memory to jam nine blades into the BX900 S1 chassis.
ブレード1枚あたり32コアて。

一方、AMDは切る方向。
What is also missing from the support list is Advanced Micro Devices' Opteron processors within the new Primergy BX900 series of blade servers, and Duran says there are no plans right now to support Opterons in the BX900 lineup. Fujitsu did eventually support Opterons in the BX600 blade machines in the dual-core Opteon generation a few years back, but has not been updating for quad-core "Barcelona" or "Shanghai" chips.
Bulldozerコアまでは復活の目は無いのかな。

POWER6+の"+"の部分

What's the Story with Power6+ Chips?
"You have to have performance, to be sure, but you also need virtualization, and energy and systems management, and lots of other things--that's the plus part--to make it all work. We are continuing to take share, and we didn't need to highlight performance."
要約すると「クロック周波数は上げられませんでした。」

参考エントリ:
POWER6+は既に発表されていた

We want to work with Fujitsu

Q+A-What are Larry Ellison's plans for Sun Micro?
We want to work with Fujitsu to design advanced features into the SPARC microprocessor aimed at improving Oracle database performance. In my opinion, this will enable SPARC Solaris open-system mainframes and servers to challenge IBM's dominance in the data center.
ほお。

その他の発言でも、ハードウェア事業へのコミットを強調した内容となっている。Ellisonの過去の言動から考えるに、裏に本音を隠した建前の発言というわけではなく、本気でハードウェア事業をやっていこうと考えているように思われる。

そうそううまくいかないだろうし、うまくいかなかった時にドライな判断が下される可能性は高いけど、それはまた別の話。

ところで、
Even I started my Silicon Valley career working for a hardware company that worked with Fujitsu to design and build the first IBM compatible mainframe.
とあるが、

ネットワークコンピューティングの推進者
1973年ラリー・エリソンはアムダール・コーポレーションに就職した。アムダール・コーポレーションの株式の45%は富士通が持っていた。そこでラリー・エリソンはアムダール・コーポレーションの仕事で日本に出張し、その余暇に京都へ出掛けて日本の伝統文化に触れ、強い感銘を受けた。
へぇ。

関連記事:
「オラクルはサンのハードウェア事業を継続する」――エリソンCEOが明言