2009年12月21日月曜日

京速計算機の検討初期段階における仕様


非公開だった資料が公開されていたようだ。

最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用
第2回評価検討会提出資料
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/super/haihu02/siryo3-2.pdf

これによると、いわゆる「京速計算機」の検討初期段階における仕様は以下のようなものである。

大規模処理計算機部 (NECベクトルを想定):
- 演算性能: 0.5PFLOPS
- 価格: 2850億円 (5700万円/TFLOPS)
- 電力: 5.6MW (11.2W/GFLOPS)
- インターコネクト: 0.2Byte/s/FLOPS
- メモリ転送性能: 4Byte/s/FLOPS (チップ-メモリ間に光伝送技術を採用)

逐次処理計算機部 (富士通スカラを想定)
- 演算性能: 1PFLOPS
- 価格: 1750億円 (1750万円/TFLOPS)
- 電力: 2.5MW (2.5W/GFLOPS)
- インターコネクト: 0.3Byte/s/FLOPS (ノード間)
- インターコネクト: 0.5~1Byte/s/FLOPS (ノード内)
- 大規模共有メモリ方式
- ノードあたり32CPUを想定
- システムインターコネクトはファットツリー

特定処理計算加速部 (GRAPE-DRを想定)
- 演算性能: 20PFLOPS
- 価格: 150億円(?)
- 電力: 7MW (0.35W/GFLOPS)

なお、GRAPE-DRの価格は別の資料、

専用機の性能を持つ汎用超並列計算機へ
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/super/haihu02/siryo3-sanko.pdf
サイズ・コスト・電力の実現性(10Pflops)
●価格
- GRAPE-DR 75億円(15億円/2Pflops)
から求めた。


で、元々の要求仕様はこれなのかな?

計算科学技術推進ワーキンググループ第2次中間報告概要
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/super/haihu01/siryo2-3.pdf

「最も高度な」って書いてあるから実現性度外視のものなんだろうけど。

大規模処理計算機:
 - 演算性能: 2PFLOPS(実効)
 - CPU-メモリ間: 8Byte/s/FLOPS
 - ノード間: 0.4Byte/s/FLOPS

逐次処理計算機
 - 演算性能: 4PFLOPS(実効)
 - CPU-メモリ間: 4Byte/s/FLOPS
 - ノード間: 0.04Byte/s/FLOPS

特定処理計算加速機
 - 演算性能: 20PFLOPS(ピーク)

CPU-メモリ間のデータ転送性能は、かなり無理のある数字のような。

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