2008年12月10日水曜日

アメリカ人は掛け算が苦手

IBM drops Power7 drain in 'Blue Waters'
162 racks of servers, organized into three columns, with each column having five rows with 9 racks each.
five rows じゃなくて six rows では?

なんて冗談はさておき、

IBM will put 64 cores in a 2U box
だそうである(ただし、幅は一般的な19インチではなく24インチとのこと)。集積度を高めても、そのせいで余計に電気を食ったら意味は無いわけだが、よほど冷却技術に自信があるということだろうか。

two Power7 chips into a single ceramic package and sharing a single socket, with four sockets on the board.
なんて書いてあるけど、果たして真相はいかに。

2008年11月27日木曜日

SPARC Enterprise T3120

Sun readies entry Sparc T2 kicker

TPMの記事だから全くの出鱈目とは思えないんだけど、オンチップの10GbEを殺して1GbEにする(チップを追加することになる)と安くできるという理屈が分からない。10GbEマクロの歩留まりが悪いということなのだろうか?

Joergさんとこ見に行ったら、

Hardware teaser: SPARC Enterprise T3120

ナイショだって。

2008年11月22日土曜日

さすがSGI !

SGI shows off Molecule concept machine

Atomを集めればMoleculeだなんて、誰もが一度は思いつくが首を振って決して口には出さないようなネタを平然とやってのけるッ そこにシビれる!あこがれるゥ!

【SC08】Atomを使うスーパーコンのコンセプト・モデル,SGIが公開

写真で見ると凄さが分かる。
「次に考えている設計では,液冷にしてさらに高密度,例えば1ラックに1万個以上のCPUコアを詰め込む計画」
こういう「良い意味で馬鹿なこと」ができるのは素敵。

これに対抗して、ARMを集めて「千手」ではどうか。

って、もうありましたか。

NEC: News Release 97/07/28-01

# これはARMじゃなくてMIPSだけど。

スカイネットだ

IBM、5大学と提携し人間の脳のように機能するコンピュータを開発

ターミネーターがやってきたら成功。

2008年11月21日金曜日

IBMがTransitiveを買収

IBM、クロスプラットフォーム仮想化のTransitiveを買収へ

Transitiveは自分とこの技術が売れれば売れるだけ、自分の(将来の)顧客が減るという際どい商売をしていたわけで、いつかはどこかに買われるのだろうと思ってはいたが。

['08.11.25 追記]

IBM's Transitive Buy Presents Interesting Server Options

この件について、良くまとまっている。

2008年11月15日土曜日

QualcommがUMBを断念

米Qualcomm社,次世代通信方式「UMB」の開発を断念

3.9Gでは名を捨て実を取った感のあるQUALCOMM。UMTS陣営が半ば反QUALCOMM連合だったことを考えると、うまく立ち回ったと言えるだろう。果たして、ミニIntelになれる可能性は残されているだろうか。

2008年11月7日金曜日

Coverity Prevent

いわゆる静的解析ツール。

実際に使用されている方からお話を伺う機会があったので、簡単にまとめておく。

 - 関数またぎのメモリリークなども見つけてくれる。
 - if文でこの条件の時だけfree()し忘れ、みたいのも分かるらしい。
 - Eclipseから呼び出すプラグインは無いようだ。
 - 結果はWebブラウザで参照する。
 - その場で修正して再チェック、といったことはできない。

お値段によってチェック可能な最大ステップ数が決まっているそうだ。最大ステップ数をオーバーしても使えなくなるわけではないが、翌年のライセンス更新時に追加料金発生ということらしい(ちょっと怖い?)。

@ITのPR記事があったので貼っておく。

数百万行におよぶソースコードをすばやく解析 誤検知を制御し、不具合が検出できるツール

2008年11月1日土曜日

2008年10月31日金曜日

巻物ノート

【FPDI】その名も「はためくディスプレイ」,Samsung SDIが厚さ0.05mmの有機ELパネル

もう少し大きくなって、もう少し柔らかくなれば可能か。

…などと考えていたら、

【FPD International 2008】Samsung SDI社が厚さ0.05mmの有機ELパネルを展示

厚さ0.05mmの方はガラス基板だそうで、あまり曲げられないかも知れない。0.05mmのものとは別に曲げられるものもあるようだが、巻物まではまだ無理そうだ。

2008年10月24日金曜日

System z10 BC

日本IBM、処理能力が5割向上したミッドレンジメインフレーム「System z10 BC」

  CPU動作周波数: 1.4GHz → 3.5GHz 2.5倍
  搭載CPU数: 8個 → 10個 1.25倍
  コア数: デュアルコア → クアッドコア



  最大MIPS値: 1785MIPS → 2760MIPS 1.5倍???

計算が合わないと思ってたら、

日本IBMがメインフレームの中位機「z10 BC」を発表、価格は2600万円から

 - クアッドコアのうち、1コアは常にOFF
 - 3コア×4チップ=12コアで、そのうち2コアはI/O専用
 - つまり、上記CPU数とはコア数のこと

ということで、「コア数」を掛けちゃいけなかった、と。

そうは言っても、周波数が2.5倍になってるのに性能は1.5倍ということで、IPCが低いのか、メモリまたはI/Oが追いつかないのか。

2008年10月23日木曜日

Larrabeeは最大32コアで最高2GHz

IDF 2008:Intel新GPU LarraBee之部份细节

Larrabee
- ~32コア
- ~2GHz
- 45nmまたは32nm

ほんとに2GHz出るのだろうか。だとすると、Intelの45nmプロセスは非常に優秀だと言える。

2008年10月22日水曜日

S3もGPGPUに参戦

S3 delivers GPGPU

NVIDAとAMDの2強だけでは面白くないので、S3には是非頑張ってほしい。

さて、GPGPUに関する動きについて簡単にまとめると以下のようになるだろうか。
 NVIDIA: CUDA
 AMD: CTM, StreamSDK(Brook?)
 Intel: Ct

それから、少し立ち位置は違いそうだが、

 Apple: OpenCL

というのもある。

今後、PC向けのCPUはローエンドのGPUを取り込んでいく方向だと思うので、両方持っているAMDが有利とも言えるが、逆にNVIDIAやIntelが勝利してしまった場合、両方持っていることが足かせとなりかねない。なかなか予断を許さない状況である。

しかし、日本企業の名前が全く出てこないのは…。

2008年10月17日金曜日

SPARC64 VII+

Sun and Fujitsu hint at Sparc futures
"In a year, we will be introducing the Sparc64 VII+ processor running at 2.8 GHz to our customers," explained Tomita.
とのこと。

Sunの今年1月時点でのロードマップでは、SPARC64 VII+ は
 - mid-2009
 - 3.0GHz
 - 65nm
 - 4 core x 2 thread
となっていたそうだ。

ちょっとググってみたら、今年8月のプレゼン資料が

http://www.blogger.com/goog_1131257868

にあり、p.32のロードマップに3.0GHzという記述があるので、おそらくこれと同じものだと思われる。

それから、本題とは直接関係無いのだが、コメント欄の9番目の書き込みが非常に興味深い。

2008年10月10日金曜日

AcerもASUSも既にPCを「製造」していない

ODM部門を切り離しメジャーへの階段を駆け上るASUS
ASUSTeK Computer(以下ASUS)は、2008年1月に会社としての性格を大きく変えている。というのも、ASUS本社から製造部門を切り離し、Pegatronとして独立させたからだ。従来からあったASUSの工場(台湾の桃園や中国の上海など)はPegatronに移行され、ASUSはマーケティングや研究開発、サポートに専念するという体制になっている。
こうした新しい展開は何もASUSが初めてではない。すでにそうしたことを達成したPCメーカーがある。Acerだ。AcerはもともとODMベンダーとして出発し、'90年代には富士通のデスクトップのODM元としても有名だった。Acerが日本に紹介されたきっかけもそうしたODMビジネスだったため、未だにAcerと言えばODMメーカーと勘違いしている人が多いのだが、すでにAcerはODM部門を分離している。それがWistronで、現在はAcerだけでなく、さまざまなPCベンダのODM元となっている。すでにAcerはODM元としてWistronだけでなく、他のODMベンダも利用しており、マーケティングと流通システムの構築に集中することで、今や世界第3位のPCベンダーへと成長している。
「製造」していることが台湾メーカーの強みと思っていたので、なんだか意外である。既に大きくなってしまったAcerはともかく、ASUSも既にHPやDellあたりと同じ立場にあるわけだ。結局、「ブランド」を持たないと生き残っていけないということなのか。

ということは、日本メーカーもやりようによっては生き残れたはずだったのだろうか。具体的にどうすれば良かったのかは全然思いつかないけど。

AMDが製造部門を分社化

AMD、製造部門を分社化へ--情報筋

ハイエンドプロセサを作る上で自社ファブを持っている強みというのは確実にあるわけで、AMDも相当に追い込まれていたということか。これで設計会社の方は短期的には立て直せそうだが、製造会社の方がどうやって事業を継続させていくのかは今のところ見えない。

AMDはCPU用のハイエンドプロセスしか持っていないはずなので、ファウンドリーとして独立しても、結局AMDのCPU以外に作るものがないという事態に陥りかねないのではないか。

…なんてことを考えていたのだが、当然そのあたりは考慮済みで、

AMDが製造部門を分離。巨額の投資を受け入れ
SOIプロセスのままでは、ファウンダリ事業を展開することが難しいため、今回、32nmルールからSOIと並行して、バルクシリコンプロセスの開発も行なうことが表明された。
とのこと。

そうは言っても、今度はTSMC、UMCあたりとガチンコの勝負になる可能性もあるわけで、それはそれで厳しそうだ。

Opinion: No room for new foundry startup
Is there a need for a new silicon foundry company? Quick answer: No!
なんてことを言っている人もいるし。さらに、

AMDのファブレス化は「生き残り策であって戦略ではない」,米調査会社が見解
しかし,これは生き残るための施策であって,市場シェアを広げていくための戦略とは違う
これまた、辛口。
2004~2008年のAMD社の設備投資額64億米ドルに対し,米Intel Corp.の設備投資額はその4倍の256億米ドルになるとIC Insights社はみている。さらに2009~2013年のIntel社の設備投資額は300億米ドル程度に拡大すると予測する。これはAMD社の計画の上限である60億米ドルの5倍である。ファウンドリ最大手の台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd.(TSMC)の設備投資額は2004~2008年が113億米ドル,2009~2013年も100億米ドルを超えるとIC Insights社は予測する。
どうやってTSMCと差別化するかが鍵だろうか。

2008年9月18日木曜日

NECがApproと提携

NEC, Appro ink supercomputing pact

Approと言えば、筑波大のT2Kのメーカー(システム構築はクレイ・ジャパン)。NECとしては、HPCはベクトルコンピュータに選択と集中ということで正しい選択なのかもしれないが、NECがどんどん商社化してしまうように思えて少し寂しい。

ユニシスはもうItaniumサーバを売らないらしい

NECと米ユニシスが共同開発のIAサーバーを投入、Itaniumは来年に
ユニシスは「メインフレームを含めてプラットフォームをXeonに移行する」(リー氏)との方針であるからだ。

2008年9月17日水曜日

Itaniumより、Xeonの方がより多くのイノベーションが起きる

「長期計画を持つ顧客はハイエンドXeonサーバーに投資する」、インテルの吉田社長が指摘
いっそのこと、Itaniumを止めてしまえば、ハイエンドXeonサーバーの位置付けが明確になり、日本でも売れ出すと考えられる。
止められるものなら、止めたいんじゃないかな。

一体型PC

ソニー、「デスクトップ型」PCは開発打ち切り 「一体型」に完全シフト

ディスプレイに本体を組み込むのではなくて、HHKにネットトップPCを組み込むのはどうか?

Windowsでサポートされるのは最大64コアまで

インテル、6コアチップを発表

システムとしては最大96コアまで積めるのに、Windowsで動かすなら64コアのシステムとして使えと。まあ、確かに96コアなんて必要なユーザはそうそういないだろうし、そういうユーザならWindowsなんて選ばないかもしれないし。

しかし、6コアのうち2コア殺して動かすというのはどうなんだろう。最初から4コアにしときゃいいのに。性能が足りなくなる頃には、Windowsが64コア以上にも対応しますよってことなんだろうか。

Re: AppleはiPhoneのプロセサを自社開発するのか?

アップル、iPhone向けに、ARMベースの独自のCPU開発中--NYタイムズ報道

参考エントリでも触れた通り、iPhoneには複数のARMコアが使われているため、ARMのCPUを開発しているからといって、それがメインのプロセサとは限らないわけだが、元P.A.semiのエンジニアが逃げ出さずに開発しているところを見ると、ほぼ決まりと言って良いだろう。

ARM vs. Intel ということでは、少なくともAppleは、現時点ではAtomを買ってくるより、ARMのIPを買ってプロセサを自社開発した方が得であると判断したということになる。もちろん、この判断には自社開発のOSを持っていることが大きく影響しているわけで、他社も同様の判断をするとは限らない。

参考エントリ:
AppleはiPhoneのプロセサを自社開発するのか?

2008年9月12日金曜日

ARM vs. Intel

ARM、IntelによるAtom優位の主張に強く反論
そしてARMコア搭載の携帯電話機はいくつかのWebページを閲覧できないとのIntelの指摘に対しては、プロセッサ・アーキテクチャの違いによるものではなく、機器が搭載しているソフトウエアの違いによるものだと反論した。
確かにその通り。とは言え、あるソフトウェアが動くかどうかはプロセッサ・アーキテクチャにより決まる面もある。実際にPCはx86により天下統一されてしまった。

イノベーションのジレンマ的には、上から降りてきた人と下から上がってきた人が戦うと、下から上がってきた人が勝つことになっているようだが、果たして今回はどうだろう。

この状況で、Intelが勝つためには、戦いのルールをPCと同じものに変えてしまう必要がありそうだ。そのために、Mobile Internet Device (MID) という概念を立ち上げ、リファレンスモデルを公開することにより、Intelのチップを買ってくれば誰でもほぼ同じものが作れるという状況を作り出そうとしているように思われる。

そうは言っても、ケータイの世界のチャンピオンであるNokiaあたりがこれに乗ってくるとは到底思えず、きびしい戦いになるのではないだろうか。

だが、Intelとしては、ARMのライセンスを売り払った後にAtomを出してきたわけであり、絶対に負けられない戦いである。"Only the Paranoid Survive"は発動するのだろうか。

['08.10.06 追記]

Intelのえらい人が、まさにこのあたりのIntelの狙いを説明している。

「MIDのOSはLinuxが最適」──チャンドラシーカ氏、AtomとMIDを語る
Intelが提示した互換性に関するデータで訴えたいのは、ARMアークテクチャは分断されており、異なるARMベースのプラットフォーム間で互換性が完全ではないということです。ARMベースのプラットフォームでは、CPUのアーキテクチャは共通ですが、チップに集積されているI/Oなどその他の部分については、ラインセンシーごとに異なります。これは多くの用途に合わせて、カスタマイズされたチップを提供するというビジネスに最適化されたものであり、そのような分野におけるARMの成功は疑う余地のないものです。
しかし、コミュニケーションデバイス、あるいはコンピューティングデバイスとして、共通したプラットフォームを提供するという点では最適ではありません。1つの互換性を持ったプラットフォームであるという点が、Intelが提供するプラットフォームの強みです。このように、IntelとARMのビジネスモデルは、それぞれ異なっています。Intelが示したデータは、IntelとARMとのアーキテクチャを比較した優劣ではなく、ビジネスモデル同士の衝突であり、コンピューティングというリングではIntelに優位性があることを示しているのです。

iPhoneがあれば可能みたい

iPhoneを電脳メガネにする「Sekai Camera」がすごい件

ケータイにGPSが付いたあたりから妄想してたことが、現実化しつつある。
街中でスタンド戦が可能だ(ちょっと違う気もする)。

TC50―Sekai CameraはiPhoneからソーシャルタグで現実世界の情報を提供
ただしAnshinは「画像認識技術は一切用いていない」と述べた。
どうやって位置合わせしてるんだろう???

TechCrunch50日本勢の活躍(2)Tonchidot
講評では、ティム・オライリー氏が「これは何年も夢見てきたものだ。問題はどうそれをエグゼキュート(実行)するかだろう」と、現実世界をおふだで埋めるまでのソース確保の面を掘り下げたが、井口さんは「想像してごらん。イマジネーションを忘れずに。Join Us」とジョン・レノンのように諭し、会場からやんやの拍手を浴びた。
飛ばすなあw

セカイカメラは現実的に厳しい

確かになあ…、と読み終えた後に最初のコメントで噴いた。

['08.09.18 追記]

20分で理解するSekai Camera?セカイカメラ関連記事のまとめ
ライブデモも可能だったようですね。
へぇ。

参考エントリ:
電脳メガネだ!!

2008年9月6日土曜日

NVIDIAはQPI用のチップセットを製造しない

iscX58のSLIサポートは、NVIDIAのチップセット事業の終焉を意味するのか
「我々はIntelと広範囲なクロスライセンス契約を結んでおり、その中にはQPIも含まれていると理解している」(ピーターソン氏)との通り、QPIのライセンスに関しては問題ないというのがNVIDIAの立場だ。
ライセンスの問題は無いのに、QPI用のチップセットは製造しないそうだ。やはり、ノースブリッジがCPUに取り込まれることにより、チップセットビジネスが商売として成り立たなくなるということらしい。

しかし、NVIDIAは2009年以降もチップセットビジネスを続けていくようだ。

笠原さんは、
例えば、x86プロセッサのコアをどこからか買ってきてCPU統合型のGPU向けチップセットなんてアイデアはどうだろうか。考えてみれば、最近のアプリケーションで性能が問題になっているのは、エンコードだったり、写真の処理だったり、いずれも並列型のベクタープロセッサ(つまりはGPU)向けの処理ばかりだ。だから、CPUなんてOSの起動や、インターネット関連のアプリケーション(ブラウザ)の起動さえできれば良いと割り切り、メインメモリは従来のマザーボードで言えばCPUの位置にあるGPUに接続され、ビデオメモリの一部をメインメモリとして利用するというストーリーだ(つまりCPUとGPUの主客逆転)。
なんて予想をしているが、

NVIDIA、MID向けの新しいSoC「Tegra」を発表

あたりの話も絡んでくるんだろうか。

2008年8月30日土曜日

Android Market

Google、iPhoneのApp Storeのような「Android Market」を計画

App Store 打倒なるか。

Androidに専用アプリマーケット登場へ
私たちは「ストア」ではなく「マーケット」ということばを選びました。これは、開発者がコンテンツを公開するために、オープンで遮るもののない環境が必要だと考えるからです。
楽市楽座やね。

2008年8月29日金曜日

神の子

中国製プロセッサ『Godson』とは

なかなか興味深い。

Godson 3
 - MIPS64互換
 - 65nmプロセス
 - 1GHz
 - 4コア
 - 10W
 - x86 バイナリをオンザフライで変換する機能を搭載

動作周波数から性能的には今ひとつと考えられるが、10Wで動き、x86バイナリ互換機能を持つとなれば、ULPCで使われるCPUの選択肢の一つとして注目される可能性はある。

中国の国産プロセッサ「Godson」に初のマルチコア品が登場

Godson3
 - 4コア版は2008年内にテープアウト予定
 - さらに、8コア版を2009年にテープアウト予定
 - MIPS64コアにx86対応のバイナリ・トランスレーションや
  メディア・アクセラレーションに向けた200以上の命令を追加
 - 消費電力は4コア版で10W、8コア版で20W
 - Godson-3を基にしたペタFLOPS級のシステムを2010年に実現する
 - 製造はSTMicroelectronics

Godson2H
 - Godson2コアを用いたSoC
 - 2009年発表予定
 - CPU + GPU
 - ノース・ブリッジとサウス・ブリッジの機能も搭載

Hot Chips: the third Dragon CPU

最も詳しい記事。発表スライドあり。

8コア版はMIPS64ベースの汎用コアが4つと、並列演算専用コアが4つからなるヘテロ構成。専用コアは 16GFLOPS/コア。


['10.01.29 追記]

HOT CHIPS 20の講演資料が公開されたようです。

Micro-architecture of Godson-3 Multi-Core Processor (PDF)

p.25にGodson-3のフロアプランがありました。

2008年8月28日木曜日

次世代スーパーコンピュータ

理研 次世代スーパーコンピュータ

 - 稼動: 2011年3月
 - 完成: 2012年3月
 - ピーク性能: 10PFLOPS以上?
 - SXプロセサ?(ベクトル) + SPARC64?(スカラ)

LLNL ASC Sequoia (ppt)

 - 稼動: 2011年
 - ピーク性能: 14~20PFLOPS
 - 2009年に ASC Dawn として 0.5PFLOPS のシステムを稼動
 - Blue Gene/Q?

NCSA Blue Waters

 - 稼動: 2011年
 - ピーク性能: 10PFLOPS?
 - 実アプリ性能で 1~2PFLOPS 出すことが目標
 - POWER7

NASA Pleiades

 - 完成: 2012年
 - ピーク性能: 10PFLOPS
 - 2009年に 1PFLOPS のシステムを稼動
 - Xeon?

美の女神

Fujitsu Readies Eight-core Sparc64 Chip

NVISION 08 と重なってしまったからか日本ではニュースになっていないが、Hot Chips において、次期SPARC64プロセッサ(開発コード名Venus)の情報が少しだけ公開されたようだ。

Venus
- 45nmプロセス
- 8コア
- 128GFLOPS (16GFLOPS/core)
- メモリコントローラ内蔵

ところで、TukwilaとRockについては新しい情報はほとんど出なかったのだろうか?

2008年8月27日水曜日

Wozの魔法使い

S・ウォズニアック氏:「エンジニアは自分の心に従って行動すべき」--IDFインタビュー
Appleの論理回路の設計では、「オンラインのタイムシェアコンピュータシステムを利用するだけの金銭的な余裕がなかったため、1と0を書き留め(て、コンピュータの演算をシミュレートし)なければならなかった。すべて手作業で、コンピュータは1度も使わなかった」
ひょええ、CADいらずですか。

まあ、最初にコンピュータを作ったときは、コンピュータを作るのにコンピュータを使えなかったわけですが。

2008年8月22日金曜日

NVIDIAもチップセット事業から撤退せざるを得ない?

1チップ化が進むIntelチップセット
しかしCPUがグラフィックスAPを持つLynfieldやHavendaleのプラットフォーム向けにNVIDIAがチップセットを出すハズもなく(出してうまみがあるハズもなく)、'80年代に始まったサードパーティ製チップセットの文化はついに終焉の時を迎えそうだ。
付加価値を出せる部分が無くなってしまった、ということだろうか。

上記はPCの話だが、実はサーバでも似たような話がある。サーバでは専用のチップセットを開発している企業がまだいくらか残っているが、これは大規模SMPを実現するという目的があるからだろう。しかしながら、「(UP/DP + 高速インターコネクト) × たくさん」と比べた時の大規模SMPの利点が無くなりつつある現状では、専用チップセットを自社開発するような企業は、やはり無くなってしまうのではないだろうか。

Linus Torvalds 曰く

つまらなく聞こえるかもしれないが、率直に言って、わざわざカーネルを大々的に書き換えることはやめたほうがいい。現実はそれほどたやすくはない。
L・トーバルズ氏:「主要Linuxプログラマーになるのは楽じゃない」

2008年8月21日木曜日

Craig Barrett 曰く

Small deeds done are better than great deeds planned.
【IDF 2008】クレイグ・バレット会長基調講演レポート

Nehalem の省電力技術

【IDF】電源遮断用の新トランジスタなど,「Nehalem」に複数の低電力化技術

- パワー・ゲーティング
 コアごとはもちろん、I/O,メモリー・システム,キャッシュなど
 ブロックごとに電源遮断を実行可能。

- 厚さ7um(*1)の最上層配線層
 電源分割によるノイズの影響を抑制?
 自社でプロセスを開発できるIntelならではの工夫か。

- 電源遮断用トランジスタ
 リーク電流極小、高オフ抵抗。

- 電源遮断制御用専用マイクロ・コントローラ 
 むしろセンサーの側が重要だろう。

- PLL
 大元のPLLから各コアごとのPLLに分配する形。

- データパスの完全CMOS化
 倍クロックの演算器などは諦めたということか。

- SRAM
 6Tr → 8Tr

- ターボモード
 シングルスレッド性能向上が主目的だが、省電力にも寄与。

---
*1: スライドでは7mmとなっているが、おそらく7umの誤りであろう。

['08.09.05 追記]

IEDM2007 10.2の発表資料
http://download.intel.com/technology/iedm2007/HiKMG_pres.pdf

P9に以下の記述あり。

Metal9
Thick: 7[um]

2008年8月18日月曜日

Re: Cadence,Mentor買収に乗り出すも拒否される

米Cadence,米Mentorの買収を断念

業績不振の影響もあり、結局断念した模様。

買収が成立しなくて良かったとは思うが、Synopsys一人勝ちという状況も それはそれであまり喜ばしくないので、Cadenceには頑張っていただきたい ところ。

関連エントリ:
Cadence,Mentor買収に乗り出すも拒否される

2008年8月13日水曜日

Intelのロードマップ

IDF Shanghai (今さら?) のリーク記事

Processeur : de Nehalem ? Haswell

はフランス語なんで、これに対するコメント

Intel 22nm Ivy Bridge & Haswell Disclosure

まとめると

 2007: Penryn - 45nm, 4コア (Tick)
 2008: Nehalem - 45nm, 4コア (Tock)
 2009: Westmere - 32nm, 6コア (Tick)
 2010: Sandy Bridge - 32nm, 8コア (Tock)
 2011: Ivy Bridge - 22nm, 8コア(?) (Tick)
 2012: Haswell - 22nm, 8コア (Tock)

ということらしい。

ちなみに、

正体が見えてきたIntelの6コア「Dunnington」と8コア「Beckton」

によれば、MP系列は

 2008: Dunnington - 45nm, 6コア (Penryn相当)
 2009: Beckton - 45nm, 8コア (Nehalem相当)

となっている。

# 来週IDFなので、今日まとめておく意味は無いかも知れない。

2008年8月12日火曜日

VIAが他社向けチップセット事業から撤退

VIA heralds end of third-party PC chipset biz

もともとIntelのバスライセンスを取得しないことを決めた時点で時間の問題
という話もあったが、ついに撤退を決めた模様。

2008年8月6日水曜日

Power Systems division の偉い人が POWER7 を語る

Q&A with IBM's Ross Mauri: Talking Power Systems and Power7

- POWER7は今年の末にパワーオン。2010年に販売開始。
- POWER8の設計は開始されている。
- POWER7は8コア。周波数、パイプライン段数、キャッシュサイズ、
 そして、いくつかの面白い機能については内緒。
- POWER7をSMB向けに提供できるフォームファクターを検討中
 (液冷にするとは言ってないよ)。

2008年8月5日火曜日

Larrabee「コプロ」説

GPUとしてはおそらく中途半端な性能と思われるLarrabee。それなのに、HPC向けの演算アクセラレータとしてではなく、PC向けのグラフィックチップとして発表するということは、Intelとしては、PCにおいて大規模コアのマルチコアチップと小規模コアのメニーコアチップが共存する状況を作り出したいのではないか。

ちょっと意味合いは違うが、80x86のコプロとして80x87が存在したときのイメージ。80x87はその後CPUに取り込まれたが、それと同様に、将来的にはPC向けCPUを2~4(8?)個の大規模コアと十数個以上の小規模コアからなるヘテロジニアスコアチップとすることを狙っていると予想する。

はずれたら、さえないジョークとして笑っていただきたい((C)元麻布春男)。

2008年8月1日金曜日

AppleはiPhoneのプロセサを自社開発するのか?

ARM confirms architecture licensee is handset maker; is it Apple?

ARMが匿名のハンドセットメーカーにライセンスを与えた、という話と、

Apple with P.A. is possible ARM architecture licensee

それがAppleである可能性が高いという記事。

iPhoneには複数のARMコアが使われている(*1)ため、周辺(一応電話なのでどっちが周辺だ、という話はあるが)のLSIをSoC化するためだけかも知れないが、プロセサを作るという方が話としては面白い。せっかく、Dan Dobberpuhl を買ったんだし。

ただ、IntelのAtomを採用するという話もあり、可能性は低いか。

*1 iPhoneにARMコアはいくつ?答えは依然として不明のまま

2008年7月28日月曜日

POWER7ネタ

More Power7 Details Emerge, Thanks to Blue Waters Super

POWER6+
- 2コア/ダイ
- 2ダイ/ソケット
- 32MB L3キャッシュをMCM上に積む
- 周波数6GHz ?

POWER7
- 4コア/ダイ (8コアはPOWER7+で実現?)
- 2ダイ/ソケット
- L3キャッシュをチップに統合
- 周波数3-4GHz (ただし、より高速な版も提供されるはず)

という予想。

Can Big Blue Make Power7 Green?

周波数3-4GHzというのは消費電力を抑えるため (POWER6を使ったシステムはBG/PやCellに比べ、電力あたりの性能が低い)。TDPが100Wととしても、Blue Waters ではCPUだけで4MW消費してしまう。できればTDP 50Wくらいまで下げたいところ。浮動小数点数演算のアクセラレーション機能を使うだろう。AltiVecの拡張かな? Cell SPE もありうる? といった話。

2008年7月16日水曜日

POWER7は4GHzで8コア×4スレッドか

IBM's eight-core Power7 chip to clock in at 4.0GHz

ひたすら高クロック化を目指したPOWER6から、コア数を増やしているとは言え、周波数が下がっていることは興味深い。とは言っても、SPARCやItaniumに比べると十分に高い。クロック周波数だけで性能が決まるわけではないとは言え、かなりのアドバンテージとなるのは間違いない。

4GHzでコアあたり32GFLOPSということで、POWER6からコアあたりの浮動小数点演算器数を倍増させている模様。IntelのAVXと同様のアプローチだろうか。コアあたりのスレッド数を増やしてきているのは、やはりSunへの対抗だろう。最大消費電力250Wとも言われるRockの明日はどっちだ。

後半はNCSAの Blue Waters について。2011年に10PFLOPSということで京速ピンチ? メモリバンド幅が5PB/sなどとさらっと書いてあるが、チップあたりにすると128GB/s。SX-9が256GB/sということなので、ほぼベクトルプロセッサ並。いったいどんなI/Oを使うのだろうか。

...

POWER7
- 45nm
- 4.0GHz
- 8コア
- 4スレッド/コア
- 256GFLOPS (32GFLOPS/コア)

pシリーズ後継サーバ
- サイズ: 2U
- CPU: Dual Chip Module x 4 (64コア)
- ピーク性能: 2TFLOPS
- メモリ: 128GB

HPCタイプ
- 上記2Uサーバを16台結合 (1ラック?)
- プロセサ数: 64
- コア数: 1024コア
- ピーク性能: 32TFLOPS
- メモリ: 2TB

...

Blue Waters
- プロセサ数: 38,900
- コア数: 311,200
- ピーク性能: 10PFLOPS
- メモリ: 620TB
- メモリバンド幅: 5PB/s
- インターコネクト: 1.30PB/s
- ストレージ: 26PB
- ラック: 100以上
- 面積: 4,400平方ft (410平方m)

2008年7月14日月曜日

そこには水たまりしかなかった

ブルーオーシャン症候群
困難な時期にさしかかると、「より競争の少ない領域」が魅力的に感じてしまい、競争を避けてそちらに逃げ込んでしまうと。仮にブルー・オーシャンの創造に成功すれば良いのですが、手こずっている間にライバル企業がコア事業に専念していたとすると、既存の事業で失速・さらに新規事業でも十分な利益を得られないという結果になってしまう
確かに「青い海」と「赤い海」であれば、青い海を目指したくなるのが人間というもの。しかしこの比喩はちょっと語弊があって、「赤い海」と「まだ酸素濃度が薄い古代の陸上」のどっちを目指す?というぐらいにしておいた方が良いのかもしれません。
だから陸を目指すなとは言いませんが、その変化と進出にはそれなりの時間と体力がかかり、一方で「赤い海」での競争を免れるわけではないことを理解しておかなければならないと思います。
願わくは上陸した先が大陸であらんことを。

2008年7月3日木曜日

IBMがPSIを買収

IBM rids world of mainframe up-start PSI, inherits Itanium server biz

訴訟を終わらせるために買収した模様。

POWERでメインフレームをエミュレート、なんてことはありやなしや。

2008年6月24日火曜日

Niagara3 は16コア×16スレッドか

Sun's Niagara 3 will have 16-cores and 16 threads per core

コア数とスレッド数は十分あり得ると考えられるが、これで8ソケットサーバを作るというのはちょっと眉唾。

2008年6月23日月曜日

2008年5月21日水曜日

東芝と富士通が半導体事業で提携?

東芝と富士通,半導体事業での提携に関する報道を否定

書かれていること、書かれていないこと。

本日,当社が半導体事業で東芝と資本・業務提携交渉を進めているとの報道がありましたが,当社から公表したものではありません。
東芝と交渉していることについては否定していない。
具体的には「富士通マイクロエレクトロニクスの過半数の株式を東芝が引き受ける方向」とありますが,そのような検討を行なっている事実は一切ありません。
東芝が50%以下であるケースについては否定していない。
富士通と一対一の交渉を進めている事実はない
一対一以外のケースについては否定していない。

2008年5月8日木曜日

2012年までに10PFLOPS

NASA、次世代スーパーコンピュータでIntelおよびSGIと協力

まずは2009年に1PFLOPSを実現するとのこと。すでに、

SGI to Supply NASA's Next Major Supercomputer

において、3GHzクアッドコアXeon×5120基で245TFLOPSのシステムが発表されているので、Nehalemで8コア化してノード数を倍にすれば1PFLOPSは容易に達成可能と考えられる。

そこから10倍はどうするんだろうか? 16コア化? AVXで2倍? ノード数増やしてごり押し? ひょっとしてLarrabee?