2009年6月15日月曜日

6Tr→8TrでSRAMの消費電力が減る?

8Tr化で低電圧化できることと、8Tr化しても全ての問題が解決するわけではないことの説明。

0.5V駆動LSIの技術課題,低電圧化はなぜ難しいのか
SRAMの低電圧化を可能にする技術として,ここへ来てセルを構成するMOS FETを従来の6個から8個に増やす「8T型SRAM」が関心を集めている。これは,従来の「6T型SRAM」の一方のデータ保持ノードに読み出し用MOS FETと選択MOS FETを加えたものである(図9(b))。読み出し用と書き込み用のポートを分離することで,読み出し時の非選択セルへの電圧印加を抑えられる。この結果,MOS FETのしきい電圧の変動によりデータが破壊される現象を防げる。8T型は既に実用化段階に入っており,Intelは先に述べた「Nehalem」のキャッシュの一部に8T型SRAMを採用している。
ただし,8T型もSRAMの低電圧化の「最終的な解にはならない」(東京大学 生産技術研究所 教授の桜井貴康氏)と見る向きが多い。動作状況によっては6T型と同じ読み出しモードが発生し,非選択セルへの電圧印加によってデータが失われるためである。この結果,8T型SRAMは用途が限定的になる可能性が高い。さらに,8T型は6T型に比べてセル面積が約30%増大してしまう。チップ面積をここまで増大させることは,「半導体技術者にとっては敗北とも言える」(同氏)事態である。
参考エントリ:
Nehalem の省電力技術

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