2009年7月10日金曜日

MicrosoftのブラウザOSプロジェクト「Gazelle」

Google Chrome OSが表に出てきたところで、MicrosoftもブラウザOSの研究をしてるんだよ、というお話。

マイクロソフトのブラウザOS「Gazelle」から探る「Google Chrome OS」
GazelleはWebアプリを処理するためのブラウザ・ベースのOSだ。MSRはマルチ・プリンシパルOS(multi-principal OS)と説明している。この場合のプリンシパルとはWebサイトを指す。基盤OS(Windows)の上に、約5000ラインのC#コードで書かれたブラウザカーネルのレイヤが存在するのが特徴で、このブラウザカーネルが様々なプリンシパルとシステム・リソースを仲立ちし、リソースの共有や保護を実現する。
今日のブラウザとGazelle (=ブラウザOS)ではセキュリティの目的が異なるのだ。ChromeやIE 8のマルチプロセスは、ユーザーのブラウジング全般においてトラブルを最小限に抑えられるように封じ込めるのを優先した設計といえる。セキュリティという点では、ブラウザやWebからホストマシンを保護するのを目的としており、そのためにはプロセスのサンドボックス化は有効である。
しかし、それはローカルアプリに加えて、Webアプリケーションも利用するというレベルの話だ。Webでやり取りされるデータ、Webに取り込まれる機能が増えるほどに、ブラウザのアプリケーション・プラットフォームとしての側面が重視されるようになる。Webアプリ主体のコンピューティングでは、ホストマシンだけではなく、ブラウザも十分に保護する必要が出てくる。そのためにはブラウザをOSと捉え、今日のホストマシンに加えて、ブラウザにおけるプリンシパル単位の保護を実現しなければならない。
Googleがブラウザを動かすために最適化されたOSを提供しようとしているように見えるのに対して、こちらはブラウザにOSの機能を組み込もうという話に見える。ただ、結局出来てくるものは似たようなものかも知れないし、実はGoogleの目的もMicrosoftと同じなのかも知れない。
GoogleがGazelleを意識しているかは分からないが、今後Microsoft内でGazelleのようなプロジェクトの存在が大きくなれば、結果的にGoogleにも利益がもたらされる。極端な話をすると、たとえChrome OSが伸び悩んだとしても、その存在に刺激を受けてMicrosoftがGazelleのようなプロジェクトに本腰を入れ始めてWebが前進すれば、それはGoogleの勝利といえる。
シェアの争いなどではなく、ゲームのルールを根本的に変えてしまえるかどうかの争いということか。

でも、さすがに
このように考えると、Gazelleプロジェクトを表舞台に呼び出すために、このタイミングでGoogleはChrome OSを発表したのではないか……とも思えてくる
ってのは、うがち過ぎなんじゃないかと思うけど。

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