狙いは「隣接市場」,HPとシスコに見るハードの攻防
ところが経済が危機的状況を迎えると、各分野のボリュームが減るため、「隣の芝生」に踏み込む野心を抑えきれなくなる。しかも、技術が標準化・コモデティ化して参入障壁が低くなるため、隣接市場への侵攻が一挙に積極化する。結果、業界では統合・再編が起こる。今のIT業界では、そんな激的なドラマが始まっている。象徴的な動きは、シスコのサーバー市場への進出と、HPのネットワーク機器への本格的な取り組みだ。互いの得意分野への侵攻という意味で今年最大の話題をさらいそうだ。米オラクルのデータベース専用ハードも注目の一つである。レッドオーシャンか。
“融合商品”を開発することで、ハードだけで付加価値を追求しているシスコやHPといった米メーカーに対し、国産メーカーはハードよりサービスで付加価値を生み出そうとしている。この姿勢が今後、日米ITメーカーの業績の差となって表れるかもしれない。プロダクトアウトじゃダメだからマーケットインだ! なんて話を良く聞くけど、マーケットインだけじゃ“融合商品”なんて産まれてこないよなあ。
シスコのサーバ市場参入、その真の狙いは何か
シスコがサーバビジネスのマージンの低さを無視して、なぜサーバ市場に参入するのかと疑う人々はこれを見落としている。シスコが提供するのはサーバ単体ではなく、サーバ仮想化をベースとした包括的なデータセンターインフラ・ソリューションであり、全体としての付加価値を逆に高めようとしていると考えられる。['10.03.17 追記]
というわけで、正式発表。
Cisco、「Unified Computing System」でデータセンター仮想化戦略を強化
ブレードサーバなんて、誰でも作れるってことか。
シスコの新ブレードサーバは「イーサネット命」
シスコはヴイエムウェアの大株主であるEMCとの提携関係も拡大、統合ソリューションの開発や検証、訴求を進める。['10.03.23 追記]
Ciscoの勝算-サーバー市場進出の波紋
一方、Gartnerは技術面で差別化を図るCiscoの戦略に対し、サーバー市場が価格主導であることを指摘。辛口な見方を示した。同社は分析のなかで「既存ベンダーに対抗するには、これらの機能を、競争できる価格で提供し、かつ価値を示す必要がある」と述べている。そうね。HPは強敵だと思うよ。
関連エントリ:
オラクルとかシスコとか
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